リフィニティブによると、日本企業が関与したM&Aは今年に入ってから速報値ベースで8.1兆円に達し、前年同期比で21.9%減少した。アウトバウンド型が46.1%減となった一方、インバウンド型は34.3%増と日本企業が買われる実態が明らかになった。
2020年3月のM&A件数は前年同月を4件上回る86件となり、3月として09年(88件)以来11年ぶりの高水準を記録した。国内でも新型コロナウイルスの影響が広がる中、M&A市場への波及も懸念されていたが、数字上はひとまず先送りされた格好だ。
2018年1-12月期の日本関連M&A公表案件は、前年比162.6%増加の39.3兆円と、1980年の集計開始以来最高額となった(リフィニティブ調べ)。マーケット別でみると最も活発だったのはIN-OUT案件で、初めて20兆円を突破した。
東証の「適時開示」ベースで2018年1~9月の買収件数は466件だった。このうち海外企業を対象とする買収は89件と全体の5分の1を占めた。買収金額100億円超の案件は38件あり、このうち第3四半期(7~9月)だけで16件に上った。
東証「適時開示」ベースで、2018年8月の買収件数は72件(7月54件)と、5月の64 件を上回り、今年の月間最高となった。このうち、海外企業を対象とする買収は19件、買収金額10億円超は25件あり、いずれも今年最多。なかでも100億円超の大型案件は1~7月で合計26件だったが、8月だけで8件に上り、集中ぶりが目立った。