それでもトヨタはソフトバンクを選んだ

KDDIはアイサンテクノロジー(名古屋市)、ティアフォー (同)と共同で2017年12月に日本初となる一般公道での遠隔制御型自動運転システムの実験を愛知県幸田町で実施し、レベル4 (走行エリアは限定されるものの、無人運転が可能)の自動運転に成功した。トヨタのおひざ元である愛知県で、しかも地元企業と共同で取り組んでいることからも、自動運転での「トヨタへの熱烈なラブコール」がうかがえる。

KDDIも自動運転車の実証実験に取り組んでいるが…(同社ニュースサイトより)

それでもトヨタはソフトバンクを選んだ。しかも「今年の夏にトヨタからの提携打診に加え、豊田章男トヨタ社長が自ら東京に会いに来た」(孫正義ソフトバンクグループ会長兼社長)というほどの熱の入れようだったという。

トヨタはサービス業向けの自動運転車「イー・パレット」を開発中で、今回の合弁を機に同車の運用でソフトバンクとの連携が強まりそうだ。イー・パレットの運用に必要なデータのほか、走行やデリバリー(配送)情報を活用した付加サービスの強化などでも提携が進みそうだ。

たとえば自動運転タクシー。現在はスマートフォンのアプリを利用して、個人ドライバーが運転する自家用車を利用者に差し向けるライドシェア大手のウーバーや中国・滴滴出行、シンガポール・グラブなどが、ドライバーと利用客とのトラブルや地元タクシー会社との軋轢(あつれき)、さらには個人ドライバーに支払う経費を削減するために自動運転車に高い関心を持っている。