武田薬品工業<4502>によるアイルランドの製薬会社シャイアーの買収に向けた、環境整備が着々と進んでいる。

米国連邦取引委員会が武田薬品によるシャイアー買収の申し出について、7月の初めに許可を与えたのをはじめ、借入金負担が軽減できるタームローンクレジット契約が6月初めに成立したほか、武田薬品が大阪・道修町の本社ビルをおよそ600億円で売却することも6月初めに明らかになった。

武田薬品によるシャイアーの買収が実現するためには、武田薬品とシャイア―の両社は2019年前半までに臨時の株主総会を開催し、武田薬品は3分の2以上、シャイアーは4分3以上の株主の賛成を得なければならない。

武田薬品が6月に大阪で開催した株主総会では武田薬品のOBらでつくる「武田薬品の将来を考える会」が、1兆円を超える買収について株主総会の決議を義務付ける定款変更を提案したが、否決されシャイアー買収に関しては大きな混乱はなかった。

臨時株主総会でも一部の株主が反対するものと思われるが、買収に向けての条件はそろいつつあるといえそうだ。

臨時株主総会をどう乗り切る

米国連邦取引委員会は公正な取引を監督・監視する機関で、独占禁止などについて権限を持つ。この機関が武田薬品によるシャイアーの買収に許可を与えたことについて、武田薬品では「極めて重要なマイルストン」であるとのコメントを発表した。

一方、タームローンクレジットは柔軟な返済条件の設定が可能な借入金で、市場の環境によっては低コストでの資金調達が可能になる。JPモルガン・チェース銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行などの金融機関がこの契約に加わった。