日本の仮想通貨交換業が大きな転換点を迎えた。楽天<4755>が事業展開が明らかになっていなかった仮想通貨交換業の最後のみなし業者である「みんなのビットコイン」(東京都)を買収することになったためだ。

全みなし業者が廃業か大手の傘下に

この買収によって2018年1月に発生したコインチェックによる580億円分の仮想通貨ネムの不正流出事件の際に存在していた仮想通貨交換業のみなし業者16社はすべて廃業か大手の傘下に入ることになった。

金融庁は仮想通貨交換業者に、テロ集団への資金の流出や犯罪組織によるマネーロンダリングなどを防ぐ体制の構築を厳しく求めていた。創業間もない仮想通貨交換業者の中には、資金や人材面で対応できないところが少なくなかった。

このため生き残りのため大手資本の傘下入りが活発化しており、今回の楽天による「みんなのビットコイン」買収以前にも、マネックスグループによるみなし業者であるコインチェックの買収、SBIホールディングスによるみなし業者であるLastRoots(ラストルーツ)の支援などが実現していた。

楽天による「みんなのビットコイン」の買収が固まったことで、日本の仮想通貨交換業者はすべて金融庁の基準を満たすことになる見込みで、日本の仮想通貨市場が政府によるコントロール下で安定性を増すことになる。

楽天が仮想通貨交換業に参入

楽天は電子商取引や実店舗での決済、さらに個人間での決済手段として、仮想通貨が利用されると見込んでおり、こうした決済手段を円滑に提供していくためには、仮想通貨交換所機能の提供が必要と判断して、仮想通貨交換業への参入を検討していた。

一方の「みんなのビットコイン」は、2017年3月30日に仮想通貨交換所のサービスを開始し、2017年9月7日に仮想通貨交換業者の登録を申請した。

しかし金融庁が求める経営管理態勢の構築、マネーローンダリングやテロ資金供与にかかわる管理態勢の構築などを実現するためには、楽天グループの傘下で事業を強化し、シナジー効果を最大化させることが不可欠と判断した。

金融庁が8月半ばに公表した資料「仮想通貨交換業者等の検査・モニタリング中間とりまとめ」によるとコインチェックの仮想通貨ネムの不正流出事件が発生した2018年1月時点に存在した、みなし業者16社のうち1社に対し登録拒否を行い、12社からは登録申請が取り下げられたという。

残りのみなし業者3社はコインチェック、ラストルーツと今回の「みんなのビットコイン」で、最後に残った「みんなのビットコイン」の楽天傘下入りで、すべてのみなし業者の進む方向が固まったことになる。

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文:M&A Online編集部