仕事と子育てをどう両立するか。女性にとって古くて、なお新しい課題だ。労働力人口が減少する中、その解決が社会的要請となって久しい。ビースタイル(東京・新宿)は、キャリアを持ちながら結婚や出産を機に仕事を諦めた主婦層に特化した人材サービスを売り物に、派遣業界に新風を吹き込んできた。2002年に会社設立以来、業績は順調に推移し、株式上場も視野に入れる。創業者で現在会長の三原邦彦さんに主婦活用のあり方や今後の事業展望を聞いた。

「主婦活用」をソリューションの軸に

ー主婦層に特化した人材サービス会社として、オンリーワンの存在といっていいのでしょうか。

当社の場合、派遣社員の90%以上は主婦層。業界平均が60%ほどなので、主婦層のウエートが大きいのは確かだが、それだけではない。労働人口減少に伴う採用難や仕事と子育ての両立、働き方改革など様々な社会課題の解決に向けて、主婦の活用をソリューションの軸としているのは当社だけだと思う。

優秀な人材を時短派遣

ー具体的には。

結婚や出産で仕事を辞めてしまった優秀な主婦の方々を週数日、短時間というスタイルで企業に派遣・紹介している。企業は低コストで優秀な人材を活用できる。

例えば、マンガの「サザエさん」。サザエ、マスオ、カツオ、ワカメ、タラオ、波平、フネ……。それぞれに役どころがある。企業でも、すべてのポジションに全員フルタイムの人を配置しようとしたらコストがかかるうえに、供給が追いつかない。そこで有効となるのはポジションによって人材を使い分けること。必要な人材タイプに応じたポートフォリオ採用を行うことで、企業は人件費抑制という経済効果を得られる。そうした中、当社は主婦層に特化する形で、企業の採用戦略に沿ったソリューションを提供してきた。現在、年間約2万4000人の雇用をつくっている。

今後10年で労働力人口は500万人減少すると予想されている。主婦という潜在労働力の戦力化とともに、キャリア女性の活躍機会の提供がますます求められる。

ー人材派遣会社勤務を経て、ビースタイルの旗揚げは2002年。どういう思いで起業したのですか。

主婦の活用をソリューションの軸とする

雇用の未来を考えたら、若年者の減少に伴い代替労働力が必要となることは明らか。主婦やシニア、外国人、さらにロボットの活用を進めていかなければならないと感じていた。

なかでも女性の場合、キャリア形成のうえでターニングポイントは結婚と出産。結婚前までは男女変わらないキャリアを築けるのに、子育てのために仕事を辞める女性が少なくない。結婚や出産によるライフスタイルの変化に対し、企業側のワークスタイルが追い付いていない状況だった。このため、子育てに余裕ができて再び働こうとしても、元のキャリアを生かせるような仕事に就くのは容易でなかった。そうした状況を何とか変えたいという、ある種の使命感があった。