三菱UFJ銀行が中堅・中小企業の事業承継問題の解決支援に乗り出した。投資事業有限責任組合「夢承継3号ファンド」に出資することで、中堅・中小企業の事業承継をはじめ、成長戦略などの経営課題の解決を支援するという。 

「夢承継3号ファンド」に出資するのは、中小企業基盤整備機構(投資額30億円)、常陽銀行(同5億円)、百五銀行(同5億円)の3者(40億円)に、三菱UFJ銀行が加わった4者。 

三菱UFJ銀行の出資額は本体の39億1000万円と、三菱UFJ銀行のグループ会社であり、今回のファンドの運営主体であるソリューションデザインの9000万円を合わせた40億円で、4者トータルの出資額は80億円になる。 

日本政策金融公庫のレポートによると、近年、中小企業で親族外承継を行う割合が高まっており、当該企業の役員や従業員への継承、外部人材の招聘が増えている。

また経済産業省は今後10年間に70歳を超える中小企業経営者約245万人のうちの半数が後継者未定であり、このままでは2025年ごろまでに650万人の雇用と22兆円のGDP(国内総生産)が失われる可能性があると分析している。

このため政府は自社株対価のM&Aの規制を緩和し、売り手の負担となっている株式売却益への課税を繰り延べする制度を導入。中小企業の廃業抑制に乗り出した。

さらに日本は日銀によるマイナス金利政策が長く続いており、銀行経営は厳しい環境下にある。このため生き残りをかけた銀行同士のM&Aや、キャッシュレス化、仮想通貨の活用など様々な取り組みを展開している。 

これまで中小企業は地元地銀や信用金庫などが事業承継などの問題解決にかかわってきた。政府がM&A を積極的に支援する姿勢を示していることから、今後は厳しい状況に置かれているメガバンクも中小企業の事業承継やM&Aへのかかわりを強めてきそうだ。

文:M&A Online編集部