LINE<3938>がキャッシュレス、仮想通貨に加え食品ロス軽減にもつながるビジネスに乗り出す。
LINEは2019年春に料理の持ち帰りサービスLINEテイクアウトをスタートする。LINEのアプリから近くの飲食店を探し、料理を注文すると「15分後、受け取りに来てください」とのメッセージが表示される仕組み。
食品ロス削減に貢献
キャッシュレス決済サービスLINE Payやクレジットカードなどで決済すると、LINE上で注文から決済まで行うことができる。さらにLINEテイクアウトで注文するごとにLINEポイントを受け取ることができる。
貯まったポイントは1ポイントを1円としてLINE Payで使用できるほか、将来はLINEが発行している仮想通貨LINKと交換できる見込み。
LINEテイクアウトに登録しているレストランなどの店舗は急な予約のキャンセルなどによって余剰商品が発生しても、LINEテイクアウトでディスカウント情報を流すことができるため、食品ロスの軽減につながる。
キャッシュレスと仮想通貨で顧客の囲い込みを目指すLINEの戦略に食品ロス削減が加わり、ビジネスに厚みが出てきた。
仮想通貨が身近な存在に
LINEは2017年7月にフードデリバリーサービスLINEデリマを立ち上げ、全国1万4000店舗で料理を注文できる体制を築いた。現在の会員数は、650万人を超えている。
LINEテイクアウトはLINEデリマの第2弾で、食品ロスの削減に役立つほか配送にかかる人員や費用の抑制にもつながる。サービス開始からおよそ1年半後の2020年内中に、掲載店舗3万店を目指すという。
LINEが発行している仮想通貨LINKは仮想通貨交換所BITBOXで使用できる。LINEのさまざまなサービスを利用することによってLINKが獲得でき、獲得したLINKはBITBOXで他のデジタル資産と交換できる。
LINEは仮想通貨交換業の登録業者でないため、日本ではBITBOXを利用することはできない。このため日本の利用者には仮想通貨LINKの代わりにLINEポイントが付与される。
仮想通貨交換業の登録が認められればLINEポイントはLINKと交換できるようになる可能性が高いとみられる。LINEのサービスを利用することで、仮想通貨が得られるようになれば、仮想通貨が身近な存在になる。
日本では大手企業による仮想通貨交換業者のM&Aが相次いでおり、仮想通貨ビジネスが次第に安定化してきた。LINKのような仮想通貨が加わることで、日本政府が目指す仮想通貨先進国の実現が近づいてくるものと思われる。