トヨタ自動車<7203>が販売チャンネルの一本化に乗り出す。現在、トヨタブランド車は「トヨタ店」「トヨペット店」「カローラ店」「ネッツ店」の4チャンネルで販売されており、専売車種もある。トヨタは2025年までに専売車種を廃止し、国内の約5000店舗で全車種を販売するという。

事実上の「販売チャンネル統合」へ

トヨタ系の国内販売会社(販社)は約280社あるが、9割以上はトヨタ本体とは別の地場企業。日産自動車<7201>やホンダ<7267>などの他社のようなメーカー直営店は少ない。そのため、直ちに販売チャンネルを統合するのは難しい。しかし、専売車種がなくなり全販売店舗で同一車種を取り扱うとなると、販社の差別化はできず、事実上のチャンネル統合となる。

すでにその予感はあった。トヨタは2017年秋、「2025年をメドに国内向け車種の75%を全店扱いの併売車種にし、セダンを中心に車種を大幅に削減する」と、国内販社へ通達している。「専売車種ゼロ」という今回の決定は、さらに踏み込んだ内容だ。すでにハイブリッド車(HV)の「プリウス」やクロスオーバーSUVの「C-HR」といった人気車種は、全店舗での販売に切り替えている。

すでに全ディーラーで販売している「プリウス」(同社ホームページより)

決定の背景にあるのは、国内自動車市場の伸び悩みだ。日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会がまとめた2018年上期(1~6月)の国内新車販売台数は、前年同期比1.8%減の273万2478台だった。とりわけトヨタが生産する登録車(軽自動車以外の車種)は同4.2%減の173万2358台と厳しい。

今後も日本は少子高齢化によりドライバーが減るのは確実で、トヨタが得意とする登録車の販売は先細りが避けられない。そのため国内向けの生産車種を売れ筋に絞り込み、1モデル当たりの生産台数を増やすことでコスト削減を目指すことにしたのだ。