武田薬品工業<4502>は米国のバイオベンチャー・Ambys Medicines社に1億ドル(約110億円)を支援し、Ambys Medicines社が開発中の重症肝疾患向け薬剤の米国外での販売権を獲得した。

財務内容の悪化防止よりも収益源の確保を優先

武田薬品は新薬につながる新規候補物質のうち、製品化までの時間が短いフェーズ3に位置する物質が少ないため、この領域の物質を増やすのが狙い。

武田薬品が進めているアイルランドの製薬会社シャイアー買収には、3兆円を超える現金が必要。

このため大阪本社ビルの売却(600億円)や借入金負担が軽減できるタームローンクレジット契約の締結などの対策を実施。財務内容の悪化防止に取り組んでいる。

Ambys Medicines社に対する1億ドルの支援はこの動きに逆行するが、財務内容の悪化防止よりも、次の収益源の確保を優先したことになる。

Ambys Medicines社は肝疾患や再生医療の世界的な専門家によって創設された企業で、現時点では治療不可能もしくは十分に治療できない肝疾患を対象に、細胞治療や遺伝子治療、薬剤治療などの臨床応用に向けた研究に取り組んでいる。

今回の提携に基づき武田薬品がAmbys Medicines社の開発した製品を販売する場合は、開発費用の50%を武田薬品が負担するという。

武田薬品では「この提携により、将来、肝疾患を有する患者さんに再生医療による治療をお届けできる可能性が高まる」とのコメントを発表した。

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文:M&A Online編集部