シェアオフィス「ウィーワーク」をグローバル展開する米ウィーカンパニー(We Companies, Inc.)創業者のアダム・ニューマン最高経営責任者(CEO)が辞任することになった。引き続き会長として同社には留まるが、事実上の「解任」とみられている。

同社は9月下旬に予定していた新規株式公開IPO)を、10月以降に延期していた。投資家の評価が芳しくなく、ニューマンCEOは直近の資金調達ラウンドでは470億ドル(約5兆円)だった企業価値評価額を200億ドル(約2兆1000億円)と半分以下にする大幅ディスカウント(値引き)に踏み切るなど、IPOの実現に必死だった。

「高い家賃」の悩みが起業のきっかけに

ウィーカンパニーにはソフトバンクグループ<9984>が傘下のソフトバンク・ビジョン・ファンド・エルピー(SVF)などを通じて、総額で106億5000万ドル(約1兆1400億円)を投じている。最大の出資者であるソフトバンクとしては、あまりに低い評価額で上場が実施されれば自らの投資価値を減額しなくてはならないため、ウィーカンパニーに公開延期を強く要請していた。

しかし、ニューマンCEOはあくまでも早期の上場にこだわる。それというのも同社の評価は急速に下がっており、たとえ低評価でも今のうちに上場をしておかなければ、二度とそのチャンスが訪れないのではないかとの懸念があったからだ。

そのウィーカンパニーだが、創業はニューマン氏と最高創造責任者(CCO)のミゲル・マケルヴィ氏が2008年5月に共同で設立したグリーンデスク(Green Desk)にさかのぼる。もともとニューマン氏は米ニューヨークで子供服を手がけるクローラ(Krawlers)というベンチャー企業を経営していた。その時の悩みのタネが、高額のオフィス賃貸料だった。

クローラが儲かっていなかったわけではない。ベンチャーである自社の事業規模や社員数にピッタリの狭いオフィスが少なかったため、無駄に広いオフィスしか借りられなかったのだ。ニューマン氏の悩みを聞いた建築設計士のマケルヴィ氏は、借りているオフィスを小さく区分けして小規模なベンチャー企業や起業家に安い賃料で又貸しするアイデアを思いつく。

ベンチャー企業向けのミニオフィスに目をつけて起業したウィーカンパニー(同社ホームページより)