オリックス<8591>はパレットやカゴ台車、冷凍冷蔵コンテナーなどの物流機器のレンタルを手がけるワコーパレット(大阪市西区)の全株式を取得し、子会社化した。

オリックスはリース事業や生命保険、銀行、不動産、環境エネルギーと幅広い事業を手がけており、物流分野でも大型物流倉庫開発や物流ロボットのレンタル事業を展開していることから、ワコーパレットの子会社化による相乗効果は高いと判断した。

オリックスはグループが保有する法人営業ネットワークや事業ノウハウを活用し、ワコーパレットの安定的な成長を目指すという。

自前で耐震試験装置を設置

物流業界はEC(電子商取引)の拡大に伴い、搬送物の小口化や配送の多頻度化が進んでいるのに加え、トラックドライバーや庫内作業者の人手不足などの問題を抱えている。

このため高機能化や省力化、生産性向上などが求められており、物流機器市場は今後も継続的な成長が見込まれている。

ワコーパレットは全国に4事業所と自社保有の大型物流センター7拠点を含む約80の物流センターを展開している大手で、自社開発の機器などもあり、取り扱い商品は豊富。

納入先は日本アクセス、オートバックスセブン、良品計画といった流通関連企業から豊田自動織機、DMG森精機、明治乳業などのメーカー、トラスコ中山、アスクル、日通商事などの商社と幅広い。約1万7000社との取引があり、2019年2月期の売上高は約118億円に達する。

また同社は自社の物流機器が実際の地震でどの程度の耐震性能があるのかを調べるための試験装置「3軸起震装置」を開発し、兵庫県丹波市に設置している。

装置は東日本大震災や阪神淡路大震災の揺れを再現することができ、実際の物流機器に再現地震波形の震動を加え、倒壊耐久性確認試験や部品の強度試験を行っている。

オリックスは、こうした試験装置やワコーパレットの自社開発機器などをどのように活用していくのか。ワコーパレットの羽山謙造社長は「新たな株主の下で、さらなる顧客満足度の向上と、物流業界の生産性向上に貢献する事業を展開する」としており、年商が2兆4000億円を超えるオリックスグループとのPMI(M&A成立後の統合プロセス)が注目される。

文:M&A Online編集部