楽天<4755>は台湾のLa New社(新北市)の子会社で台湾のプロ野球チーム「ラミゴ モンキーズ」の運営会社であるLamigo社の全株式を取得し、2020年シーズンから台湾プロ野球リーグに参入する。 

楽天は台湾でEC(電子商取引)事業やクレジットカード事業、電子書籍事業などを展開しているほか、2020年中に銀行サービスを開始する予定で、台湾プロ野球に参入することで、楽天ブランドの価値向上と各サービスの成長を目指すという。 

人手不足の日本では現在、人材確保型のM&Aに注目が集まっており、この観点で見れば、今回のM&Aによって台湾の有力な選手が東北楽天ゴールデンイーグルスに入団することも考えられそうだ。 

台湾プロ野球を活性化

買収するラミゴ モンキーズは、2004年にLa New社が経営に参画して以来16シーズン中、6度のリーグ優勝を達成し、2017年、2018年には連覇した。また2014年から5年連続で台湾球界最多の観客動員数を記録しており、実力、人気の両面で台湾プロ野球界をリードしている。 

La New社はラミゴ モンキーズの発展を目的に、日本での球団運営などの経験を持つ楽天に売却することにしたという。 

台湾プロ野球リーグは1989年に発足し、2019年に公式戦開始30年を迎えた。現在4球団が加盟しており、2020年シーズンから1球団増え5球団となる予定。 

楽天は2004年に楽天野球団を設立し、東北楽天ゴールデンイーグルスの新規参入が承認されたあと、2005年に日本のプロ野球リーグに参入した。また2015年にはプロサッカーチーム・ヴィッセル神戸の全株式を取得し、Jリーグにも参入した。 

楽天はこれらプロチームの運営で培ったノウハウを生かし、ラミゴ モンキーズの運営だけでなく台湾プロ野球や地域の活性化などにも取り組むという。

人材確保とともにキャッシュレス化にも注目 

東北楽天ゴールデンイーグルスは2012年に岩隈久志選手が、2014年に田中将大選手が米大リーグに移籍した一方、近年は埼玉西武ライオンズから岸孝之選手(2017年)や、浅村栄斗選手(2019年)らが東北楽天ゴールデンイーグルスに移籍した。

また台湾のラミゴ モンキーズからは、今シーズン王柏融選手が北海道日本ハムファイターズに移籍している。

東北楽天ゴールデンイーグルスの今シーズンは、埼玉西武ライオンズ、福岡ソフトバンクホークスに次ぐパ・リーグ3位の成績だった。今回のM&Aによって、台湾選手の移籍、戦力アップは実現するだろうか。楽天ファンの関心は高そうだ。 

また楽天は東北楽天ゴールデンイーグルスのホームスタジアム「楽天生命パーク宮城」と、ヴィッセル神戸のホームスタジアム「ノエビアスタジアム神戸」で、完全キャッシュレス化を実現している。台湾ではどのような取り組みを見せるのか。人材確保とともにキャッシュレス化にも注目が集まる。

文:M&A Online編集部