子会社のヤフー<4689>を通じてZOZO<3092>の孫会社化を打ち出したソフトバンク<9434>が布石ともとれる一手を打っていた。

運送の効率化に取り組むCBcloudと提携

ソフトバンクは2019年9月10日に、運送の効率化に取り組むCBcloud(シービークラウド、東京都千代田区)と業務提携し、最寄りの配送拠点から住宅やオフィスまでの物流の最後の区間であるラストワンマイルの配送を担う軽貨物分野などで協業すると発表した。

ソフトバンクは2019年8月にCBcloudの第三者割当増資を引き受け、同社の株主になっており、今回の業務提携で両社の関係を一気に深める。

ヤフーはEC(電子商取引)事業の拡大を目指す中で、さまざまな分野の商品を増やしており、特にファッション分野での品揃えの強化を重要課題としていた。ZOZOの主力事業であるZOZOTOWNは2019年6月末時点で、商品数が73万点以上に達しており、日本最大級のファッションECサイトとなっている。

日本国内のファッション小売市場は13兆5000億円ほど(2017年時点)で、そのうちファッションEC市場は1兆5000億円ほどにすぎず成長余地は大きいという。

一方、ソフトバンクは通信事業を基盤に、さまざまな産業のデジタル化に取り組んでおり、この取り組みの一環として物流業界の変革にも注力していた。

物流業界はECサイトの成長に伴い、ドライバー不足や再配達の増加などの問題を抱えており、ラストワンマイルの効率化が大きな課題となっている。

こうした状況の中、ソフトバンクが打ち出したZOZOの孫会社化と、CBcloudとの資本業務提携は、ECサイト成長のための大きな両輪と考えることができる。

ネット通販でアマゾンや楽天などとの競争にさらされているヤフーが、成長が見込まれるファッションECという新たな分野を取り込み、さらに物流の効率化でアマゾンなどと差別化できれば、成長のための大きな武器を手に入れることになる。