トヨタ自動車<7203>がSUBARU(スバル)<7270>の出資比率を約17%から20%以上に引き上げ、持ち分法適用会社にすることが明らかになった。これに併せてスバルもトヨタ株を取得し、相互出資の関係になるという。

なぜトヨタはマイノリティー投資を連発するのか?

トヨタといえば、すでに完全子会社化したダイハツ工業や子会社化した日野自動車<7205>(出資比率50.1%)の「トヨタグループ」に加え、新たなマイノリティー出資にも乗り出している。

2017年10月(発表は2017年5月)にマツダ<7261>(同5.1%)へ出資、2019年8月にはスズキ<7269>への出資(同4.9%)を発表したばかりだ。そしてスバルへの追加出資。なぜトヨタはここへ来て国内自動車メーカーへの増・出資に積極的なのか?そこには三つの理由がある。

(1)新しいサービスの規格で「標準」を取りたいから

トヨタはCASE(Connected=コネクテッド、Autonomous=自動運転、Shared & Services=カーシェアリング、Electric=電気自動車)と呼ばれる次世代サービスの提供に向けた研究開発を進めている。豊田章男社長は2018年に自動運転車を利用した移動・物流・物販支援などのモビリティサービスMaaS(Mobility as a Service)を掲げ、「自動車をつくる会社からモビリティ・カンパニーにモデルチェンジする」と宣言した。

その象徴的な存在が2018年9月に設立したMONET Technologiesだ。同社はソフトバンク<9434>(出資比率35.2%)とトヨタ(同34.8%)が主導して立ち上げたMaaSを手がける企業だ。トヨタグループのダイハツ(同2.0%)や日野(同10.0%)、スバル(同2.0%)、マツダ(同2.0%)、スズキ(同2.0%)も同社に出資している。

MONET Technologiesには、トヨタが出資する企業がずらり勢ぞろい(同社ホームページより)

こうした新サービスは技術や内容以上に、規格の「標準」を取れるかが成否のカギを握る。当然、同じ規格を元に自動車やサービスを提供する企業が多ければ多いほど良い。いわゆる「仲間づくり」(豊田社長)だ。そのために国産自動車メーカーに出資し、関係を強化しているのだ。