フェローテックHDが本社を置くビル(東京・日本橋)
フェローテックホールディングスは10日、大泉製作所に対して子会社化を目的にTOBを実施すると発表した。第三者割当増資引き受けと合わせて、株式51%の取得を目指す。取得価額は総額27億6417万円(第三者割当増資引き受け8億円、TOB分が19億6417万円)。大泉製作所の東証グロース市場への上場は維持される。フェローテックは2021年3月に資本業務提携に基づき、大泉製作所に28.76%を出資している。大泉製作所はTOBに賛同している。
大泉製作所株の買付価格は1株につき1300円で、TOB公表前日の終値1039円に25.12%のプレミアムを加えた。買付予定数の上限は所有割合17.8%にあたる151万900株。買付期間は6月13日~7月25日。決済の開始日は8月1日。公開買付代理人は三田証券(復代理人はマネックス証券)。
第三者割当増資引き受けは買付期間中の6月27日に行われる予定。1株1039円。引き受け株数は所有割合9.07%に相当するが、増資後の希釈化ベースの所有割合は34.68%となる。
大泉製作所は1939年に航空機の高性能電気接点の製造を目的とする日本接点研究所として創業。1944年に法人組織に改組し、大泉航空機器製作所を設立。1945年に現社名に改めた。半導体セラミック技術、金属、プラスチック、ガラス技術の蓄積に基づき、各種温度センサーの開発・製造に強みを持つ。2012年に東証マザーズ市場に上場した(2022年4月東証グロース市場に移行)。