「過去最多」を更新 IT・ソフトウエア業界の2022年1-6月 

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写真はイメージです

M&A Online編集部がM&Aデータベースで、IT・ソフトウエア業界の2022年1-6月のM&A発表案件(適時開示ベース)を集計したところ、件数は85 件で、1-6月としては2013年以降の10年間で、2020年(83件)、2021年(83件)を上回り過去最多となったことが分かった。

コロナ禍によって冷え込む経済環境の中、デジタル技術を活用して、業務の改善や製品、サービス、ビジネスモデルなどを変革するDX(デジタルトランスフォーメーション)化の波に乗って、M&Aが活発化していることがうかがえる。

ただ取引金額は約5472億円で、1-6月としては2013年以降の10年間では2019年(約6211億円)に次ぐ4番目となった。1000億円を超える大型の案件が1件しかなかったため件数の割には金額が膨らまなかった。

金額トップはソニーグループの4140億円

期中の発表案件で金額が最も高かったのがソニーグループ<6758>の約4140億円だった。同社は2月に米ゲーム開発会社バンジー(ワシントン州)の全株式を取得し、子会社化すると発表した。

「ヘイロー(Halo)」「デスティニー(Destiny)」などの人気ゲームシリーズを持つバンジーを取り込むことで、自社の家庭用ゲーム「プレイステーション」の利用者拡大につなげるのが狙いだ。

米マイクロソフトが米ゲーム大手のアクティビジョン・ブリザードを687億ドル(約7兆8700億円)で買収すると発表するなど、コロナ禍で拡大が続くゲーム業界では大型のM&Aが相次いでいる。

金額の2番目はスクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>が5月に、米国とカナダにある傘下のゲーム開発スタジオ2社の全株式とゲームソフトに関する一部IP(知的財産権)を、スウェーデンのゲーム大手Embracer Group AB(カールスタード)に譲渡することを決めた案件で、譲渡金額は3億ドル(約389億円)。

デジタルエンターテインメント領域での選択と集中の一環で、ブロックチェーン(分散型台帳)、AI(人工知能)、クラウド関連の投資を進め、新規事業の立ち上げを加速するという。

金額の3番目はディー・エヌ・エー<2432>が5月に、医療ICT(情報通信技術)ベンチャーのアルム(東京都渋谷区)を子会社化することを決めた案件で、取得金額は約292億円。

日本で初めて保険診療の適用が認められたアプリ「Join」(汎用画像診断装置用プログラム)を主力サービスとするアルムを取り込むことで、医療・介護といった社会課題領域での収益基盤の強化を目指す。

このほかに100億円を超える案件として、SBIホールディングス<8473>が5月に、約127億円を投じて、リミックスポイント<3825>傘下で暗号資産取引所運営のビットポイントジャパン(東京都港区)を子会社化すると発表した案件と、ディー・エヌ・エー<2432>が6月に、約103億円を投じて、病院や保険薬局向けの情報システム開発を手がけるデータホライゾン<3628>を子会社化すると発表した案件があった。

文:M&A Online編集部

M&A Online編集部

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