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国内ベンチャー投資、3四半期連続でプラス|VECまとめ
ベンチャーエンタープライズセンター(VEC、東京都)がまとめた2021年第3四半期(7~9月)のベンチャーキャピタル(VC)による国内向け投資額は前年同期を80.4%上回る590億9000万円で、1~3月から3四半期連続でプラスとなった。
ベンチャーエンタープライズセンター(VEC、東京都千代田区)がまとめた2021年(1~12月)のベンチャーキャピタル(VC)による国内向け投資額は2277億円と前年を50.6%上回り、2013年に現行方式で調査開始以来の最高となった。「コロナ禍」1年目の2020年は約30%の大幅な落ち込みとなったが、一転して、ベンチャー投資の持ち直しが鮮明となった。投資件数は同20.2%増の1395件だった。
VECは四半期ごとに国内VC(事業会社によるコーポレートベンチャーキャピタルを含む)による投資動向調査を集計している。今回の第4四半期(2021年10~12月)調査には103社が回答した。
10~12月の国内向け投資額は前年同期比47.1%増の644億2000万円。投資件数は同28.7%増の376件。金額は2021年1~3月期から4四半期連続で、件数は同4~6月期から3四半期連続でそれぞれ前年比増加。年間の国内向け投資額も2年ぶりに2000億円台に回復するとともに、これまでの最高だった2019年の2162億円を100億円近く上回った。
10~12月期の国内投資額を業種別にみると、「コンピューター及び関連機器、ITサービス」が38.3%でトップ。以下、「工業、エネルギー、その他産業」13.4%、「メディア、娯楽、小売、消費財」12.6%、「バイオ、製薬」12.4%が続いた。
対象企業のステージ別の投資動向(金額)では、設立後経営が軌道に乗り始める段階にあたる「アーリー」が46.9%を占め、前年同期(47.6%)とほぼ同水準。事業の拡張期にあたる「エクスパンション」21.6%(前年同期28.2%)、起業前や起業直後の「シード」17.5%(同11.1%)、株式上場などを狙う「レイター」が14.1%(同13.2%)。
10~12月に新規設立されたファンドは10本、242億5000万円。これにより、2021年の新規設立ファンドは前年と同数の54本、522億円減の2918億円となった。
◎国内向け投資の推移(VECまとめ)
年 | 投資額 | 投資件数 |
2013 | 660億円 | 680件 |
2014 | 646億円 | 732件 |
2015 | 738億円 | 845件 |
2016 | 950億円 | 1067件 |
2017 | 1257億円 | 1145件 |
2018 | 1358億円 | 1283件 |
2019 | 2162億円 | 1432件 |
2020 | 1512億円 | 1160件 |
2021 | 2277億円 | 1395件 |
文:M&A Online編集部
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ベンチャーエンタープライズセンター(VEC、東京都)がまとめた2021年第3四半期(7~9月)のベンチャーキャピタル(VC)による国内向け投資額は前年同期を80.4%上回る590億9000万円で、1~3月から3四半期連続でプラスとなった。