新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、人の移動や経済活動が制限されたことから、多くの企業で業績が悪化した。こうした状況の中、財務体質の強化や主力事業への資源の集中などの目的で、2021年(2021年1月1日~12月27日)に上場企業が子会社や事業を売却した案件が過去10年で最多となった。
前年の2020年も新型コロナウイルスによる景気低迷が要因の一つとなり、上場企業による子会社や事業の売却が急増しており、2年連続での過去最多更新となった...
ベンチャーエンタープライズセンター(VEC、東京都)がまとめた2021年第3四半期(7~9月)のベンチャーキャピタル(VC)による国内向け投資額は前年同期を80.4%上回る590億9000万円で、1~3月から3四半期連続でプラスとなった。
2021年7月のM&A件数は前年同月比8件減の62件となり、3カ月連続で前年を下回った。取引金額は国内、海外ともに大型案件が乏しく、前年同月比38%減の488億円。1000億円を割り込んだのは今年初めてで、7月としても過去10年で最低に。
2021年4月のM&A件数は83件と前年同月を31件上回り、3カ月連続で増加した。4月としては過去10年間で最多を記録した。取引金額は1兆9263億円に膨らみ、こちらも3カ月連続で1兆円の大台を超えた。M&A市場ではコロナ禍の影響を払拭した感がある。
2020年のM&A戦線では「業種」に異変が起きた。件数トップを走り続けていた製造業がその座を明け渡したのだ。M&Aの対象となった業種(買い手、売り手の業種とは関係ない)を集計したところ、サービス業が製造業と入れ替わって首位に立った。