「東京一極集中」の構図はM&Aの分野でも絶対的だ。東京都は大阪府を5倍以上引き離して断トツの首位に立つ。3位愛知県、4位神奈川県、5位福岡県と予想される顔ぶれが並ぶ。2021年に限れば、埼玉県がトップ10の圏外となり、代わって静岡県がランクインした...
2021年(暦年)のM&A件数(適時開示ベース)は877件と前年を28件上回り、2年ぶりに増加に転じるとともに、リーマンショック(2008年、870件)後の最多となった。コロナ禍をバネに、M&A市場は活況を取り戻した格好だ。国内案件が高水準で推移し、前年に大きく落ち込んだ海外案件も復調に向かった。
上場企業が関与するM&A案件の破談がここへきて目立つ。8月から3カ月連続で各1件発生しており、なかには買収金額150億円の大型案件が白紙に戻ったケースも含まれる。いったん合意しながら破談した案件は今年に入って6件を数える。
2021年6月のM&A件数(適時開示ベース)は前年同月比5件減の51件となり、2カ月連続で前年を下回った。1~6月の上期全体では447件と前年同期を26件上回り、2008年(468件)以来13年ぶりの高水準で推移している。