国内ベンチャー投資、3四半期連続でプラス|VECまとめ

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写真はイメージです。

ベンチャーエンタープライズセンター(VEC、東京都)がまとめた2021年第3四半期(7~9月)のベンチャーキャピタル(VC)による国内向け投資額は前年同期を80.4%上回る590億9000万円で、1~3月から3四半期連続でプラスとなった。2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で年間トータルで30%落ち込んだが、今年は投資意欲の持ち直しが鮮明になっている。投資件数は383件と前年同期比32.9%増えた。

1~9月の国内投資額、前年同期の1.5倍で推移

VECは四半期ごとに国内のVC(事業会社のコーポレートベンチャーキャピタルを含む)による投資動向調査を実施している。今回の第3四半期調査には108社が回答した。

1~9月の3四半期合計の国内投資額は1632億円と前年同期(1074億円)を51.9%上回り、3カ月を残してすでに2020年の年間投資額(1512億円)を超えている。一方、件数は1019件で前年同期(869件)比17.2%増だった。

第3四半期の国内投資額を業種別にみると、「コンピューター及び関連機器、ITサービス」が43.3%とトップで、「工業、エネルギー、その他産業」17.2%、「バイオ、製薬」13.5%、「メディア、娯楽、小売、消費財」9.1%などが続いた。

国内投資額のステージ(成長段階)別動向では「アーリー」がシェア48.1%で引き続きトップ。以下、「エクスパンション」25.8%、「シード」17.6%、「レイター」8.5%。

一方、第3四半期の海外向け投資額は前年同期比10.5%増の172億1000万円。1~9月合計では同9%増の505億4000万円。

新設ファンドの出資、海外のウエート高まる

第3四半期に新設されたファンドは14本・548億4000万円。前年同期比で本数は3本、金額は168億円それぞれ増えた。出資者別の金額構成比は「銀行・信用金庫・信用組合」が29.9%とトップで、「年金基金」15.2%、「事業法人」8.4%、「保険会社」7.6%、「個人・親族」4.4%などが続いた(いずれも国内出資者)。「海外計」は25.5%とシェア第2位となり、海外からの出資増が顕著だった。

文:M&A Online編集部

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