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5年ぶりの件数減 2020年の調剤薬局・ドラッグストア業界のM&A
2020年(2020年12月21日時点)の調剤薬局・ドラッグストア業界におけるM&Aは、2015年以来5年ぶりの減少となった。新型コロナウイルス感染症の拡大は多くのドラッグストアには増収増益をもたらす「追い風」となっており、買い手はあれど売り手が少ない状況と言えそうだ。
一方、ツルハホールディングスの2021年5月期は9.3%の増収、営業利益、経常利益ともに1ケタ台の増益となったものの、法人税、住民税、事業税などの税負担が増加し当期利益は5.8%の減益となった。
店舗については、138店舗の新規出店と75店舗の閉店を実施したほか、2020年5月にドラッグイレブンなど207店舗がグループに加わり、トータルの店舗数は直営店で2420店舗となった。
マツモトキヨシホールディングスの2021年3月期は5.7%の減収、2ケタの減益となった。当期利益の落ち込み幅が最も大きく、17.6%の減益となった。
業種、業態を越えた競合企業の新規出店や、M&Aによる規模拡大、異業種との競争などが、振るわなかった理由で、店舗数は出店71店舗、閉店24店舗で、トータルの店舗数は1764店舗(海外店舗は含まず)にとどまった。
同社では国内ドラッグストアの競争に勝ち残ることを目的に、ココカラファインと経営統合し、2021年10月にマツキヨココカラ&カンパニーとして再スタートする。
【主要ドラッグストアの業績】単位:億円、HDはホールディングス
社名 |
ウエルシアHD | ツルハHD | コスモス薬品 | サンドラッグ | スギHD | マツモトキヨシHD |
決算期 | 2021年2月期 | 2021年5月期 | 2021年5月期 | 2021年3月期 | 2021年2月期 | 2021年3月期 |
売上高 | 9496.52 | 9193.03 | 7264.24 | 6343.1 | 6025.1 | 5569.07 |
営業利益 | 429.74 | 483.77 | 331.47 | 373.45 | 337.01 | 315.33 |
経常利益 | 458 | 476.88 | 358.35 | 382.28 | 353.33 | 340.91 |
当期利益 | 279.99 | 262.83 | 271.56 | 253.29 | 211.2 | 215.68 |
文:M&A Online編集部
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2020年(2020年12月21日時点)の調剤薬局・ドラッグストア業界におけるM&Aは、2015年以来5年ぶりの減少となった。新型コロナウイルス感染症の拡大は多くのドラッグストアには増収増益をもたらす「追い風」となっており、買い手はあれど売り手が少ない状況と言えそうだ。