7月に社名変更する上場企業、その顔ぶれと理由は?

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「焼肉屋さかい」を主力ブランドとするジー・テイストは「焼肉坂井ホールディングス」へ(写真は都内で)

7月から2021年も後半戦。下期入りに合わせ、社名変更する上場企業は5社を数える。4月の15社、10月予定の13社に比べると、数は少ないものの、7月としては例年並み(前年は6社)だ。その顔ぶれと理由は?

その名も「焼肉坂井ホールディングス」

外食チェーン大手のジー・テイストは7月1日をもって「焼肉坂井ホールディングス」に変更する。ジー・テイストの社名を聞いても業態をイメージしにくいため、主力の焼肉を中心とする多角的外食企業グループとしての存在感を内外に表明するのが狙い。

同社は焼肉「焼肉屋さかい」、回転ずし「平禄寿司」、居酒屋「村さ来」をはじめ、中華や天ぷら、パスタ、うどんなど50業態に及ぶ外食事業を展開。2018年には和風パスタ老舗の壁の穴を買収した。ここ数年は居酒屋業態の需要縮小や回転ずし業態の競争激化などを受け、焼肉に軸足を移しつつあった。

全国の店舗数は605店舗(3月末、うち直営381店舗)。このうち、焼肉業態は「焼肉屋さかい」「肉匠坂井」を中心に107店舗を展開し、コロナ禍でも比較的安定した業績を維持するなど、グループの大黒柱に成長している。新生・焼肉坂井ホールディングスのもとで、焼肉業態に経営資源を集中するとともに、その他業態は専門特化した外食子会社として事業領域を明確にする。

バイオ医薬品開発のジーンテクノサイエンスは「キッズウェル・バイオ」に社名を変える。北海道大学発のベンチャー企業として発足して今年3月で20周年を迎えた。キッズウェルはKids(こども)とWellness(健康であること)を掛け合わせた造語。バイオ技術を基盤とし、小児疾病分野での貢献を目指す企業姿勢を鮮明にする構えだ。

「WOW WORLD」に改めるエイジア

「WOW WORLD」(ワオワールド)に改めるのはエイジア。1995年に設立以来、メール利用によるクラウド型販売支援システム「WEBCAS」の展開を主力事業とし、その導入企業は7000社以上にのぼる。新社名には「人と技術の力で驚きがあふれるセカイをつくる」の意味が込められている。

7月に社名変更する5社のうち、唯一の“戦前派”がプロスペクト。前身は1937(昭和12)年に富山県南砺市で創業した繊維業の井波機業で、戦後、「カロリナ」「かろりーな」など数度の社名変更を経て、2014年にプロスペクトになった。今度の新社名は「ミライノベート」。

80年を超える歴史を持ち、1990年代初めに祖業の繊維事業から撤退し、現在ではマンション分譲など不動産事業、太陽光発電事業、投資事業を主力とする。

建材・住宅設備の販売、開発を手がけるアドヴァンは社名に「グループ」を加える。業容拡大に伴い、グループの司令塔としての役割を明確にする狙いが込められている。

番外編では、ケーブルテレビ最大手のジュピターテレコム(東京都千代田区)。7月1日にブランド名の「JCOM」に変更する。同社は1995年に日米合弁企業としてスタートし、2013年まではジャスダックに上場していた。

◎7月に社名変更する上場企業

現社名 新社名 主な事業
エイジア WOW WORLD マーケティング支援システムの開発
ジー・テイスト 焼肉坂井ホールディングス 焼肉、回転ずしなど外食事業
プロスペクト ミライノベート 不動産、再生可能エネルギーなど
ジーンテクノサイエンス キッズウェル・バイオ バイオ後続品、バイオ新薬、再生医療
アドヴァン アドヴァングループ 建材・住宅設備の開発、施工、販売

文:M&A Online編集部

M&A Online編集部

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