お酒宅配の「カクヤス」空白地帯だった千葉県に初進出!

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宅配サービスを担う…カクヤスの配送車両(写真は東京都千代田区内で)

お酒の宅配サービスを展開するカクヤスグループが千葉県に進出した。1都3県の首都圏では千葉県が唯一の未開拓エリアだったが、東京都江戸川区と隣接する千葉県市川市の一部でこのほど即日配送を始めた。勢力圏の拡大に向けて今後、千葉市、船橋市など主要都市に店舗展開を進めるとみられる。

東京23区、全域で即日配送を実現

カクヤスのセールスポイントは最寄りの店舗からの即日配送。各店舗の商圏を半径1.2キロメートルとし、最短1時間枠で「いつでも」「どこでも」「ビール一本から」「送料無料」を実現している。これがいわゆる「カクヤスモデル」だ。

店舗の名前はピンクの看板でおなじみの「なんでも酒や カクヤス」。現在、東京都、神奈川県、埼玉県、大阪府に約170拠点を構える。このうち約140店舗が集中する東京23区は全域で隙間なく「カクヤスモデル」を確立している。

神奈川県では横浜、川崎、相模原、厚木、茅ヶ崎の4市、埼玉県ではさいたま、川口の2市、大阪府内では大阪、吹田、豊中の3市に店舗網を展開するが、必ずしも全域をカバーしているわけではない。

新型コロナウイルス感染拡大を受け、外出自粛や買い物客が集まる店頭での購入を避ける消費者が増加する中、酒類を自宅に届ける宅配サービスの需要が膨らんでおり、即日配送エリアの拡大に注力中だ。東京都内でも23区以外で全域をカバーするのは26市のうち武蔵野市、三鷹市など6市にとどまる。

千葉県で次の一手は?

6月16日に東京都西東京市の全域に即日配送エリアを拡大。22日には東京都調布市でも全域に拡大するとともに、千葉県市川市の一部で即日宅配サービスを始めた。実はこれが千葉県進出の第一歩。ひとまず、首都圏での店舗網が1都3県にまたがる形になった。今後は東京周辺の船橋市や松戸市、最大都市の千葉市などに駒を進めることになりそうだ。

カクヤスは1921(大正10)年に「カクヤス酒店」として東京都北区で創業し、今年「100年企業」に仲間入りした。現在のようなディスカウント業態に衣替えしたのは20年ほど前。東京23区に集中出店するドミナント作戦を推進し、年中無休や配達の無料化などの新機軸が消費者の支持を集めた。

2002年に店名を現在の「なんでも酒や カクヤス」に統一し、03年には100店舗を達成。大阪進出も1997年と早く、すでに20年以上となる。こうした中、首都圏でも手付かず状態だったのが千葉県だ。

カクヤスはここへきて九州を舞台に本格的な地方展開にも着手。2020年5月にサンノー(福岡市)、同12月にダンガミ(福岡市)を相次いで買収した。いずれも業務用酒類販売を主力とするが、両社を足掛かりに宅配サービスの展開を視野に入れている。

コロナ後を見据えつつ、「カクヤスモデル」の勢力圏をどう拡大していくのか、要ウオッチといえそうだ。

文:M&A Online編集部

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