6月末で「歴史」にピリオドを打つ…名門ホテル・老舗宴会場・経済紙

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6月末で営業終了する「太閤園」(写真は邸内の「淀川邸」、大阪市都島区)

2021年も間もなく前半戦を終える。コロナ禍が長引く中、6月末をひと区切りに、さまざまな分野で歴史的な役割にピリオドを打つ動きが目立つ。

コロナ禍、歴史閉じるグランドパレス・太閤園

今年は東西を代表する名門ホテル、老舗宴会場が惜しまれながら、その姿を消す。一つは東京・九段下のホテルグランドパレス。もう一つが「太閤園」(大阪市都島区)で、パーティー会場や結婚式場として関西屈指の格調と伝統を誇る。いずれも6月末をもって営業を終了する。新型コロナウイルス感染拡大による業績悪化で、事業継続の断念に追い込まれたのだ。

ホテルグランドパレスは地上24階、客室数は456室。東京・丸の内にあるパレスホテル(現パレスホテル東京)の姉妹ホテルとして1972(昭和47)年に開業し、皇居周辺での高層ホテルの先駆けだった。

開業翌年に起きたのが「金大中事件」。後の韓国大統領で、当時野党指導者の金大中(キム・デジュン)氏が誘拐された歴史的事件の現場になった。1970年代から80年代にかけてプロ野球ドラフト会議の会場となったことでも知られる。

6月30日で営業終了するホテルグランドパレス(東京・九段下)

一方、太閤園は1959年に開業。明治の大実業家、藤田伝三郎の邸宅跡地に建つ。なかでも重厚な和風建築の「淀川邸」は明治期に建造され、そのたたずまいを今日に伝える。太閤園は別名、関西の迎賓館とも呼ばれ、2008年のサミット(主要国首脳会議)財務大臣会合の晩餐会会場にも選ばれた。

太閤園を運営するのは、ホテル椿山荘東京などを持つ藤田観光。会社再建を期すため、資産売却を決断した。6月いっぱいで、60年余りの歴史に幕をおろす。

「フジサンケイビジネスアイ」が休刊

総合ビジネス経済紙の「フジサンケイビジネスアイ」は30日付の発行で休刊し、60年を超える歴史を閉じる。同紙は1958年に産業専門紙「日本工業新聞」として創刊し、2004年に改題。製造業中心から、経済全般をカバーするビジネス紙に衣替えして再出発したが、部数を伸ばせず、折からのコロナ禍で販売・広告が大きく落ち込み、力尽きた格好だ。

前身の日本工業新聞は実は、産経新聞のルーツ。その源流は戦前の大阪にさかのぼる。日本工業新聞は森喜朗元首相(前東京五輪・パラリンピック組織委員会会長)が早稲田大学を卒業し、記者として活躍していた時期もある。

霞が関ではFAXが原則廃止へ

東京・霞が関の中央省庁では6月末で、一部の業務を除いてFAXの使用が原則廃止される。河野太郎行政・規制改革担当相の肝いりで、脱ハンコに次ぐ“二の矢”。7月以降は電子メールに切り替えるが、果たしてテレワーク推進や業務効率化につながるか。

新幹線車内の公衆電話も6月30日に全廃される。JR東海、JR東日本など5社が運行するすべての新幹線が対象。理由は言うまでもなく携帯電話の普及だ。

FAXが原則廃止となる東京・霞が関の中央省庁

文:M&A Online編集部

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