着々と進む「デルタ変異株」包囲網

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写真はイメージです

従来のウイルスより2倍以上感染が広まりやすい可能性が指摘されている新型コロナウイルス変異株の「デルタ変異株」に対する包囲網が築かれつつある。

新型コロナウイルス感染症ワクチンを手がけている米国のバイオテクノロジー企業モデルナは、同社製ワクチンがデルタ変異株に有効であるとの研究結果が得られたと発表したほか、米国の製薬会社ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)も、同社製ワクチンがデルタ変異株に有効であり、効果は8カ月間持続すると発表した。

さらに米製薬大手ファイザーは、同社製ワクチンを3回接種することで、ウイルスを抑える中和抗体が、2回接種より大幅に増えると発表したほか、デルタ変異株用のワクチンを開発中としている。

モデルナとファイザーのワクチンはすでに日本で接種されており、J&Jのワクチンについても認可が得られれば、2022年初頭にも同ワクチンを日本に供給できる可能性があるという。

日本政府は東京都に4回目の緊急事態宣言(7月12日~8月22日)の発出を決めた。その背景には、デルタ変異株による感染拡大への懸念がある。

デルタ変異株包囲網は、うまく機能するだろうか。

ウイルスを抑える中和抗体を生成

モデルナは2021年6月29日に、同社製ワクチンの2回接種を受けた8人の血液を調べたところ、デルタ変異株など複数の変異ウイルスに対する中和抗体がみられたと発表した。

中和抗体はウイルスを抑える働きをするもので、デルタ変異株をはじめとする変異株に対して有効であることが分かったという。同社では「ウイルスの進化に対応し、今後も新たな変異株の研究に取り組んでいく」としている。

J&Jは7月6日に同社製ワクチンを1回接種すると、デルタ変異株をはじめベータ変異株、ガンマ変異株、アルファ変異株、エプシロン変異株、カッパ変異株、D614G変異株などのさまざまな変異株に対する中和抗体が生成されたと発表した。

詳細な数字は明らかにしていないが、強力な中和抗体反応を示し、その反応は時間の経過とともに向上することが確認されたとしている。J&Jは5月24日に、同ワクチンの製造販売承認を厚生労働省に申請している。

ファイザーについては7月9日に、同社がデルタ変異株用ワクチンの開発に取り組んでおり、8月にも臨床試験を始める見通しと伝えられた。

さらに従来ワクチンを2回接種したあと、3回目を接種した場合に、ベータ変異株に対して高い効果が確認できたという。同社ではデルタ変異株にも同様の効果が期待できるとしている。

文:M&A Online編集部

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