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成城石井をローソンに売却した投資ファンド・丸の内キャピタルとは

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高利益体質の成城石井は魅力的な案件だった

ドタバタ劇の末に550億円でローソンへと売却された成城石井

ナチュラルローソン
2001年から高単価のコンビニを市場投入していたローソン

成城石井は売却と買収を繰り返してきた歴史があります。それは2004年に始まりました。

最初に手をつけたのが、焼肉「牛角」や居酒屋「土間土間」を運営するレックス・ホールディングス(後のレインズインターナショナルで現在はコロワイド<7616>の傘下)。レックスは創業家から65億円で67%の株式を取得、2006年に完全子会社化しました。富裕層がターゲットの成城石井は営業利益率が5%と高く(スーパーマーケットの平均営業利益率は1.04%:全国スーパーマーケット協会年次統計調査より)、固定ファンが多いことから注目を集めていました。

しかし、成城石井を手に入れたレックスは、2003年に発生したBSEで主力の「牛角」が失速していました。2006年に投資ファンド・アドバンテッジパートナーズ(本社:東京都港区)を迎え入れて株式を非公開化。アドバンテッジの支援で事業再編に着手したレックスは、2009年に業績不振だったコンビニ7位のエーエム・ピーエム・ジャパン(本社:東京都港区)を3位のファミリーマート<8028>に売却。そして2011年に成城石井を丸の内キャピタルに売却することを決めました。

丸の内キャピタルへの売却額は420億円だったとみられています。

ここでも成城石井の買収合戦は過熱しました。入札にはオリックス<8591>、米投資ファンド・ベイン・キャピタル(本社:ボストン)、シティグループのVC部門出身者が立ち上げたCVCキャピタル・パートナーズ(本社:ルクセンブルク)が参加しました。400億円台の激しい攻防が続いた末、丸の内キャピタルが手中に収めました。

丸の内キャピタルが買収した成城石井1期目の2011年12月期(2月11日~12月31日まで)の純利益は2億1700万円。6期目となる2017年2月期の純利益は45億9700万円です。直近の2020年2月期の純利益は53億4800万円。丸の内キャピタルの支援後、目覚ましい業績改善がなされた模様です。

丸の内キャピタルは、2014年5月に成城石井を売却する意向を小売り各社に表明。水面下の交渉が続いていました。買収にはイオン<8267>、三越伊勢丹ホールディングス<3099>、ローソン<2651>の3社が名乗りを上げました。イオンは価格面で折り合いがつかずに早々と脱落。2社が参加する入札では、500億円とほぼ同額が提示されました。結局、金額の折り合いがつかずに合意には至りませんでした。

ここで三越伊勢丹はローソンに共同買収する提案をします。三越伊勢丹は債務超過寸前の高級スーパー「クイーンズ伊勢丹」に頭を悩ませており、成城石井の持つノウハウで立て直しを図ろうとしていました。しかし、共同買収の提案は出資比率の折り合いがつかずに消滅。ローソンが550億円を提示して丸の内キャピタルとの合意が得られました。

なお、三越伊勢丹の悩みの種だった「クイーンズ伊勢丹」は、2018年に丸の内キャピタルが買収しました。現在、再建の道を歩んでいます。

麦とホップ@ビールを飲む理由

麦とホップ @ビールを飲む理由

しがないサラリーマンが30代で飲食店オーナーを目指しながら、日々精進するためのブログ「ビールを飲む理由」を書いています。サービス、飲食、フード、不動産にまつわる情報を書き込んでいます。飲食店、宿泊施設、民泊、結婚式場の経営者やオーナー、それを目指す人、サービス業に従事している人、就職を考えている人に有益な情報を届けるためのブログです。やがて、そうした人たちの交流の場になれば最高です。

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