新型コロナウイルス対策の営業自粛や営業時間の短縮などによって、倒産や廃業に追い込まれる中小の飲食業が後を絶たない中、大手の飲食企業にも、赤字転落や閉店、出店中止などの深刻な影響が表面化してきた。 

緊急事態宣言が解除されても新型コロナウイルス感染拡大の第2波、第3波に備えて、隣客との距離の確保や大人数での宴会の自粛などが続くことが予想されるだけに、出口が見えないのが実情だ。 

ワクチンや治療薬が普及すれば、従来の生活に近づくことは可能だろうが、その時期までどのくらいの企業が耐えることができるだろうか。まだまだ苦境に陥る企業が増えるのは間違いなさそうだ。

大戸屋は赤字幅が拡大  

大戸屋ホールディングス<2705>は、2020年3月期の業績予想を下方修正し、営業損益が前回予想(3億1000万円の赤字)から下振れし赤字幅が6億5000万円に拡大すると発表した。 

新型コロナの影響で、閉店する店舗などについて追加で特別損失の計上や繰延税金資産の取り崩しにより利益が予想を下回ったのが要因で、当期損益も前回予想の5億3000万円の赤字から、11億5000万円の赤字に悪化する。  

【大戸屋ホールディングスの2020年3月期業績予想】

  売上高 営業損益 経常損益 当期損益
前回予想 245億円   △3億1000万円 △2億4000万円 △5億3000万円
今回予想 245億円   △6億5000万円 △5億7000万円 △11億5000万円

ファミリーレストランのロイヤルホストなどを運営するロイヤルホールディングス<8179>は、2020年12月期第2四半期(2020年1月1日-6月30日)の業績予想を下方修正し、営業損益が前回予想の6億5000万円の黒字から一転して138億円の赤字に転落する見通しを発表した。2020年12月期通期の業績予想は現時点で感染症の終息が見通せないとして、予想を取り下げて未定とした。 

新型コロナウイルスの感染拡大による影響で、機内食事業で搭載数量が減少したほか、ホテル事業や空港ターミナルビル、事業所内施設、高速道路のサービスエリアやパーキングエリアの施設店舗などで売り上げが減少、外食事業でも多くの店舗で臨時休業や営業時間短縮を実施したことが響いた。 

また、同社は2021年12月末までにロイヤルホストや天丼チェーンの、てんやなどで不採算の70店舗を閉店することを決めた。70店は全店舗のおよそ1割に相当するという。 

【ロイヤルホールディングスの2020年12月期第2四半期の業績予想】 

  売上高 営業損益 経常損益四半期損益
前回予想 664億円 6億5000万円 6億円 5000万円
今回予想 390億円 △138億円 △145億円 △155億円

チムニーはベトナムから撤退

海鮮居酒屋はなの舞などを運営するチムニー<3178>は、ベトナムの日本食レストラン 花の舞 ハノイロンビエン店を閉店し、ベトナム事業から撤退する。

同社はグローバル人材の採用や教育訓練を目的として、アジア地域での事業展開を検討していたが、新型コロナウイルスの影響から日本国内の店舗運営に資源を集中することにした。 

ベトナムの店舗は3月28日に休業し、4月25日から営業を再開していた。撤退時期は未定という。併せて予定していたネパールへの出店も中止する。 

新型コロナの影響は上場の大手飲食企業にどこまで広がるか。店舗の閉店は日常の飲食行動に変化をもたらすだけに、目が離させない。

文:M&A Online編集部