新型コロナウイルスの影響で多くの飲食店が苦境に陥る中、あの手この手でコロナ禍を乗り切ろうとする企業がある。

テイクアウトやデリバリーシステムを導入する企業は多いが、これに加え他社とのコラボやクラウドファンディング(インターネットを介した資金調達)に取り組むなど、他の飲食店も参考になりそうだ。

社長、副社長が接待 

国内外に274店の串カツ店を展開する串カツ田中ホールディングス<3547>は2020年5月21日に、1000万円の支援金集めを目的にクラウドファンディングに乗り出した。

調達した資金は売上回復のための施策費用や新型コロナウイルス感染対策費用として使用するが、話題を集めそうなのが支援の見返りとなるリターンの内容。

その一つは串カツ田中全社で数人という優れた技術を持つ串職人が支援者宅に出張し、串カツを提供する「串職人がおもてなし!出張串カツパーティ(支援額10万円で10人まで募集)」で、15人までを対象に最大150本程度の串カツを提供する。

同社では特別な日のサプライズや、外出せずにお店のメニューが食べたい、準備や片付けが面倒な揚げ物がお腹いっぱい食べたいとったニーズを見込む。

二つ目は串カツ田中の社長、副社長による接待プラン「社長・副社長が接待 串カツ田中貸切(同100万円で5人まで募集)」で、希望する店舗を貸し切って全席分の人数を対象に3時間の食べ飲み放題を提供する。

三つ目は串カツ田中の看板の田中の部分を自由に変えることのできる「ネーミングライツ1カ月間(同2000万円で1人募集)」で、一部店舗を除く全店舗(約270店)で看板を変更できるほか公式ホームページやSNSも変更可能という。

このほかにも串カツをランチや夕食の一品として食卓に並べてほしいとの思いから「串カツ田中お食事券2万円分(同1万円で50人まで募集)なども用意した。

同社ニュースリリースより

ローソンが串カツ田中の特製ソースを使用 

ローソンは2020年4月30日から「串カツ田中ソースカツ丼(三元豚ロース)」を東京都内のローソン13店で販売を始めた。順次取扱店を増やし、全国約6000店にまで拡大する予定。

この取り組みはローソンが新型コロナウイルス感染症により影響を受けている飲食店や食品メーカーを支援するための活動の第1弾で、三元豚のロースとんかつに串カツ田中の特製ソースを使用することで、売り上げの一部を串カツ田中の応援に振り向ける。

緊急事態宣言解除後も飲食店には新型コロナウイルス対策として密閉、密集、密接の三密を避けることが求められる。ポストコロナではテイクアウトやデリバリーは当然ながら、さらなるアイデアの有無が業績の明暗を分けることになりそうだ。

文:M&A Online編集部