仏ルノー、日産自動車<7201>、三菱自動車工業<7211>の3社が2020年5月27日、新たなアライアンス(企業連携)戦略を発表した。「メンバー各社の競争力と収益性を向上させるための新たな協力的ビジネスモデルの一環」(日産)という。ポイントは以下の2点だ。

(1)メンバー各社は、商品および技術開発の効率性向上のため「リーダーとフォロワー」の枠組みを活用してプロジェクトを推進する
(2)各社は、それぞれ大きな強みを持つ地域においてレファレンスとなり、他のメンバー各社の競争力を高めるためのサポートをする

注目すべきは「役割分担」の強調

(1)については運転支援技術では日産が、コネクテッドカー技術分野ではルノーがアンドロイドベースのプラットフォーム、日産が中国市場向け、eボディ(電気電子アーキテクチャのコアシステム)ではルノーが、電気自動車の基幹技術となるeパワートレインではルノーと日産が、プラグインハイブリッド車(PHEV)は三菱自が、それぞれ中心となって開発を進める。
(2)についてはルノーが欧州・ロシア・南米・北アフリカ、日産が中国・北米・日本、三菱自がASEAN・オセアニアでそれぞれリーダー役を務める。

ルノーのジャン・ドミニク・スナール会長は「世界の状況は劇的に変化したが、アライアンスの共通の志は変わっていない」と語ったが、新戦略をみると将来の「アライアンス解散」に備える内容となっていることは否定できない。

すなわち、それぞれの強みに特化して「独立したメーカーとして自立」することを目指すと受け取れるのだ。アライアンスは商品計画や開発の一体化を狙うもので、本来なら3社で統合して取り組むべきものだ。「リーダー」とは聞こえは良いが、共同開発ではなく各社が個別開発した技術を相互供与する仕組み。グループ以外の企業ともやっている「業務提携」レベルの話といえる。

その典型的な例は次世代エコカーの目玉となるEV開発だ。グループで開発費や開発陣を一点集中して取り組むべきなのに、ルノーと日産がそれぞれ担当する。PHVだけは三菱自が単独で担当するが、これはガソリン車からEVへの過渡的な存在であり、ルノーにとっても日産にとっても関心が低いからだと思われる。

ルノーは新アライアンス戦略で、日産と三菱自の「切り離し」を狙う?−新アライアンス戦略ビデオ会見(同社ホームページより)