中国の「爆買い買収王」吉利汽車、中華ナスダック上場の狙いは?

alt

中国の大手自動車メーカーである吉利汽車(浙江省杭州市)が2020年6月17日、人民元建て株式の発行と中国版ナスダック「科創板(スター・マーケット)」への上場(IPO)を取締役会で承認したと発表した。既存株の転換はせず、発行規模は検討中という。

M&Aで自動車事業を拡大

吉利汽車は浙江吉利控股集団(同)の中核会社で、1986年に冷蔵庫メーカーとしてスタートした同集団が1997年に自動車へ参入するに当たって設立された。10万元(約150万円)以下の低価格SUV(多目的スポーツ車)などを生産し、地方の若者層に人気がある。

自動車メーカーとしては後発で、先行する日本車メーカーやドイツ車メーカーなどとの合弁企業に対抗するため、ここ10年間はM&Aで自動車事業を強化してきた「買収王」だ。

2010年8月に持株会社の浙江吉利控股集団が米フォード・モーターからスウェーデンの高級乗用車メーカーのボルボ・カーズを約18億ドル(約1600億円=当時)で買収して、自動車業界を驚かせた。

フォードから高級車ブランド「ボルボ」を買収(同社ホームページより)

この年には英マンガニーズ・ブロンズが、ロンドンタクシーを生産していた英ロンドンタクシーインターナショナル(LTI、現・ロンドンEV社)の経営権を吉利汽車へ委譲。コスト削減のため吉利汽車が中国で車体を製造し、LTIが英国内で最終組み立てする国際分業に切り替えた。

LTIの経営権を手放したマンガニーズ・ブロンズは経営危機に陥り、2013年2月に吉利汽車が1100万ポンド(約16億円=当時)で買収している。

NEXT STORY

『蒼いトゥーム・ストーン 企業買収小説』|編集部おすすめの1冊

『蒼いトゥーム・ストーン 企業買収小説』|編集部おすすめの1冊

2020/06/08

舞台は関東港湾。全国の港湾利用権を一手に握る同社の前では、名だたる海運会社もひれ伏すしかない。そんなガリバー企業を一代で育て上げた実力社長が倒れる。合併、TOB、MBO…目まぐるしく展開する、あれもこれもの企業買収小説。

関連のM&Aニュース