「手に入らない銘酒」といわれる日本酒「獺祭(だっさい)」を生産する旭酒造(山口県岩国市)が、酒米「山田錦」の栽培農家を支援するため自社ブランドで食用米として売り出している。なぜ酒造メーカーが米を売るのだろうか?

コロナ禍で飲食店向け酒需要は激減

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大を受けた緊急事態宣言で、お酒を提供する居酒屋などの飲食店が軒並み営業自粛となり、日本酒の消費が激減した。これにより代表的な酒米である「山田錦」の需要が「場合によっては半分以下の30万俵弱まで落ち込み、耕作放棄や生産者の倒産が起きるのでは」(旭酒造)との懸念が広がっている。

そこで旭酒造は仕入れた「山田錦」を食用として出荷。全国の「獺祭」取扱店のほか、自社の通信販売サイトでも販売する。価格は1袋450グラム入りで375 円(消費税込)。同社によると450グラムは稲10~15本分、水田約1平方メートル分の収穫量に当たるという。

酒米は一般に高価なため食用に使われることは少ないが、食用米よりパラっと仕上がるためチャーハンやリゾットなどに適しているという。「ちょっと少なめの水で炊飯するのがおすすめ」(旭酒造)だ。同社は動画サイトでレシピも公開している。