2020年4月に廉価版iPhoneの第2世代として登場した新型「iPhoneSE」。4万4980円(税別)からという低価格ながら、最新CPUの「A13 Bionic」を搭載し、初代よりは大きくなったものの現行機種よりも一回り小さいコンパクトさで世界的なヒットとなった。中国では新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で景気が低迷しているにもかかわらず、同月のiPhone販売台数は前月比2.5倍の390万台となり、その約4分の1が新型「iPhone SE」という。

全モデルの5G対応は予想外に早い

国内でも実質的な端末値引きが入るキャリアモデルは軒並み在庫なし、アップルストアのインターネット通信販売でも到着まで4日から1週間待ち(5月26日現在)という人気ぶりだ。「iPhoneSE」は端末の故障などで直ちに交換する必要があるのであれば文句なしに「買い」のモデルだが、急ぎでなければ「買うべきではない」。これは同3月に発売された「iPad Pro」を含む現行のiPadシリーズも同じだ。なぜか?

4年ぶりのモデルチェンジで機能が大幅に向上した新型「iPhoneSE」=写真右(同社ホームページより)

その理由は今秋に予定されている「iPhone12」の登場。廉価版である「iPhoneSE」のモデル周期は、1年ごとにモデルチェンジする本流モデルよりも長い。初代「iPhoneSE」は販売中断期間を含めて、実に4年もかかっている。このペースであれば、次回のモデルチェンジは2024年春となるはずだ。

しかし、今回は違う。「iPhone12」は第5世代移動体通信規格(5G)に初めて対応するiPhoneとなる。「iPhone12」シリーズだけが5G対応で、廉価版の「iPhoneSE」は4Gのまま2024年のモデルチェンジを待つという選択もあるが、おそらくアップルは早い段階で全モデルの5G対応を図るだろう。2021年春に投入する予定の大画面モデル「iPhoneSE Plus」と同時に、「iPhoneSE」も5G対応となる可能性が高い。同時に「iPhoneSE」シリーズのCPUも「iPhone12」と同じ、次世代の「A14」シリーズを搭載するだろう。

これは通信回線(Cellular)モデルがある「iPad」シリーズも同様だ。ほぼ全てのモデルで、5G化とCPUを換装することになるだろう。最高級モデルの「iPad Pro」が2020年3月に発売されたにもかかわらずCPUが1世代前の「A12 Bionic」の改良版を搭載しているのも、5G化のフルモデルチェンジを見越したものといえる。