ハムやソーセージなどのメーカ-である丸大食品<2288>は7月に、油脂大手の不二製油グループ本社<2607>から、神戸プリンや、らくらくホイップなどを手がけるトーラク(神戸市)の全株式を取得し子会社化する。 

基幹事業に次ぐ経営の柱を育てたい丸大食品と、中核事業の強化を目標に掲げる不二製油グループ本社の思惑が一致した。丸大食品は子会社化を機に、丸大食品、トーラク両社が保有する販売力や商品力、研究開発力を融合し、品ぞろえの充実や新たな価値の提供に取り組む。 

プリンはハム、ソーセージと並ぶ大型事業に育つことができるだろうか。 

成長モデルになれるか 

丸大食品は1954年に、大阪市内で魚肉ハム、ソーセージの製造・販売を手がける丸大食品工場として創業。その後、順調に事業を拡大し、ハム、ソーセージ業界で大手の一角を占める存在となった。 

1989年にピザ、1992年にデザート、2002年にヨーグルトの製造・販売を始めるなど、次々に新規事業に着手。2011年にはマルシンハンバークや宇都宮餃子などの加工食品を製造するマルシンフーズを子会社化し、調理加工食品事業の拡充に取り組んだ。 

この結果、主力のハム、ソーセージ事業が減少傾向をたどり、ハム、ソーセージ事業と並び同社を支えてきた食肉事業も横ばい状態にある中、惣菜、ピザ、デザート、レトルト食品などの調理加工食品事業は順調に売り上げを伸ばしている。 

2021年3月期は新型コロナウイルスの影響をはじめ、販売競争の激化、人件費や物流費の上昇、畜肉の原料価格の上昇などが響き、売上高は前年度比2.4%の減少、営業利益、経常利益、当期利益はいずれも20%を超える減益となる見込み。 

創業事業のハム、ソーセージ事業が今後、拡大余地が乏しく、食肉事業も同様の状況にある。そこで成長を続けているデザートなどの調理加工食品事業の一層の拡大を狙って、企業買収に踏み切ったわけだ。

【丸大食品の分野別売上高】単位:億円

  2018年3月期 2019年3月期 2020年3月期
ハム、ソーセージ事業 854.8 809.54 788.54
調理加工食品事業 798.09 884.33 917.94
食肉事業 741.36 734.81 750.24
その他 1.59 1.61 1.47
合計 2395.86 2430.3 2458.2

子会社化するトーラクは1960年の創業で、1991年にらくらくホイップを、1993年に神戸プリンを発売した。らくらくホイップはホイップ済みのクリームとしてトップのシェアを持ち、神戸プリンは神戸を代表する土産物の一つとして知名度が高い。 

ただ、ここ数年は減収減益傾向が続いており、2019年3月期は売上高が前年度比12.5%減の78億9100万円、営業利益は同63.7%減の1億8800万円、経常利益は同53.1%減の2億5400万円、当期利益は同82.5%減の7300万円と厳しい状況にある。 

主力事業の不振をカバーすることが期待されているプリンだが、狙い通りに相乗効果を発揮し、新型コロナウイルスとの共存が続く中での、成長モデルになれるだろうか。

【トーラクの業績推移】単位:億円

  2017年3月期 2018年3月期 2019年3月期
売上高 93.46 90.15 78.91
営業利益 7.84 5.18 1.88
経常利益 8.17 5.42 2.54
当期利益 5.62 4.16 0.73

文:M&A Online編集部