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「重慶智飛生物製品」創業者、蒋仁生会長【中国経営者シリーズ25】
中国発とされる新型コロナウイルス感染症が世界に広がっている。その中国で有力バイオテクノロジー企業の一つに数えられるのが「重慶智飛生物製品」。創業者で、現会長の蒋仁生を紹介する。
新型コロナウイルスワクチンを巡って動きが慌ただしくなってきた。米国バイオベンチャーのモデルナ(マサチューセッツ州)は2020年5月18日に、同社が開発中のmRNA-1273ワクチンに関する第1相臨床試験の暫定的なデータを公表し、同ワクチンの接種によって8人の最初の参加者すべてで新型コロナウイルスの感染を予防する中和抗体が確認できたと発表した。
この成果は日本でも大々的に伝えられ、5月15日に米国のトランプ大統領が年内にもワクチンを実用化する計画を発表していたことと合わせて、同社に対する期待が大きく膨らんだ。
ただ翌日の5月19日には、米国の医療専門メディアが、モデルナの発表について有効性を示すデータが不十分と指摘したことから、モデルナの株価が急反落するなど激しい展開となっている。
米国をはじめ中国や日本などでもワクチン開発が進んでいるが、その先頭を走るモデルナとはどのような企業なのか。
モデルナはメッセンジャーRNA(mRNA)を用いて作られる医薬品の研究開発を手がけている企業で、設立は2010年と歴史は浅く、現時点で承認された医薬品はない。
mRNAはDNAに保存されている遺伝情報を転送して、必要なたんぱく質を細胞に作り出させる遺伝子で、体内のすべての細胞にmRNAが存在するため同社では「mRNAが患者の生活を向上させる大きな可能性を秘めた新しいカテゴリーの医薬品を作成するために使用できる」として、mRNA医薬品の開発に取り組んできた。
mRNA-1273も同社が保有するmRNA医薬品の開発手法によって作り出されたもので、新型コロナウイルスに特異的なウイルス表面のたんぱく質を作り出すmRNAを探り出し、このmRNAによって作られるたんぱく質を用いてワクチンに仕上げた。
モデルナは中国が2020年1月11日公表した新型コロナウイルスの遺伝子配列をもとにワクチン開発に着手。2月7日には最初のワクチンの製造に成功、2月24日にmRNA-1273をNIH(米国国立衛生研究所)に出荷し、第1相の臨床試験に入った。
3月23日には2020年秋に医療従事者を含む一部の人々がワクチンを入手できる可能性があると発表。5月1日には年間最大10億回分のmRNA-1273の製造を可能にする計画を公表していた。
5月18日に発表したニュースリリースでは、2020年7月に第3相の臨床試験を始める予定であることや、mRNA-1273の製造を拡大するための投資を行うことを表明している。
文:M&A Online編集部
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中国発とされる新型コロナウイルス感染症が世界に広がっている。その中国で有力バイオテクノロジー企業の一つに数えられるのが「重慶智飛生物製品」。創業者で、現会長の蒋仁生を紹介する。