新型コロナウイルスの影響で厳しい経営環境に晒されている旅行会社が業績回復に向けあの手この手の施策を打ち出している。

大手旅行会社のエイチ・アイ・エス(HIS)<9603>は、そば屋の全国展開に乗り出したほか、最大手のJTB(東京都品川区)は、東京都千代田区のホテルニューオータニ(東京)での期間限定宿泊プランで、パナソニック<6752>とコラボレーションを実施する。

政府は宿泊を伴う旅行や日帰り旅行の代金の最大50%を補助するGoToトラベル事業を実施しており、効果が現れつつあるもののコロナ前と比べると、厳しい状況に変わりはない。

海外との行き来が制限されている中で、いかに国内需要を取り込むのか。旅行会社がこれまで培ってきたノウハウやアイデアが勝負の分かれ目となりそうだ。

そば屋2号店を出店

HISは2020年11月5日に東京都千代田区に「満天ノ秀そば 飯田橋店」を出店した。2020年10月2日に埼玉県川越市に開店した「満天ノ秀そば 川越店」に次ぐ2店舗目で、同社ではこの2店舗のオープンを皮切りに「今後、都内を中心に複数店舗を出店し全国展開へと広げ、数年後には海外での店舗展開を目指す」としている。

自家製麵のそば(ニュースリリースより)

そば屋は個人経営店が多く、後継者が見つからず閉店せざるを得ない状況の店が少なくない。HISのそば屋事業は、こうした後継者難に悩む店舗の味や伝統を承継することを目的に掲げており、全国展開は、事業の継続が難しい地方の名店を譲り受ける形で進むことが予想される。

満天ノ秀そば 飯田橋店では、毎日店内で製粉したそば粉を用いた麺と、毎朝仕込んだオリジナルブレンドのそばつゆを提供するという。

エアーマッサージャーを無料貸し出し

JTBは2020年12月1日から、パナソニックと協力してホテル滞在と手軽なマッサージを組み合わせた宿泊プランを販売する。

GoToトラベルキャンペーンをきっかけに、自粛疲れのリフレッシュを目的に都心の高級ホテルを利用するケースが増えており、これらニーズを取り込むのが狙いだ。

コードレスレッグリフレの使用シーン(ニュースリリースより)

JTBの「るるぶトラベルサイト」から、ホテルニューオータニ(東京)を予約した宿泊客に、パナソニック製のエアーマッサージャー「コードレス レッグリフレ」1台を無料で貸し出す。

パナソニックによるとエアーマッサージャー レッグリフレは、巣ごもり生活が余儀なくされる中、販売を伸ばしており、2010年3月以降の累計販売台数は100万台を突破しているという。

文:M&A Online編集部