クスリのアオキホールディングス(HD)<3549>がコロナ禍の中、食品スーパーの買収を活発化させている。

2020年6月に金沢市内で食品スーパー5店舗を運営するナルックス(金沢市)を、同年10月には京都府北部で食品スーパー8店舗を運営するフクヤ(京都府宮津市)を立て続けに子会社化した。

同社は2006年に東京証券取引所に上場して以来、適時開示したM&Aは1件もなかっただけに、大きな方向転換となる。クスリのアオキHDは、なぜ食品スーパーの買収にアクセルを踏み込むのだろうか。

2ケタの増収営業増益に

新型コロナウイルスの影響で在宅勤務や巣ごもり消費などが増え、日用品や食料品の需要が拡大しており、赤字に転落する企業が多い中で、ドラッグストアや食品スーパーは好調な業績を維持している。

事実、クスリのアオキHDの2020年5月期は、売上高が3001億円7300万円(前年度比19.6%増)、営業利益が163億5900万円(同15.6%増)と2ケタの増収営業増益となった。

2021年5月期については伸び率が鈍化するものの、売上高は3120億円(同3.9%増)、営業利益は165億円(同0.9%増)と堅調に推移する見込み。

【クスリのアオキHDの業績推移】単位:億円、2021年5月期は予想

  2019年5月期 2020年5月期 2021年5月期
売上高 2508.85 3001.73 3120
営業利益 141.47 163.59 165
経常利益 146.2 168.29 169
当期利益 106.48 124.16 118

ドラッグストアと食品スーパーは強者連合

食品スーパーの方は、ナルックスの2019年5月期の売上高が、前年度比7.9%の減収となったものの、フクヤの2020年7月期は0.9%の増収だった。

ナルックスは近海魚の刺身を中心とした品ぞろえが強みで、フクヤも新鮮な食材の品ぞろえを行っており、両社ともに50年以上の歴史を持つ。

こうしたナルックス、フクヤ両社の新鮮な食材の品ぞろえと、ドラッグストアの健康や美容、日用品などの品ぞろえを組み合わせることで、シナジー効果を発揮し競争力を高めようというのが、食品スーパーを傘下に収める狙いだ。

子会社化に伴い、両社の店舗の改装を進めるほか、福井県内のクスリのアオキの大型店には鮮魚テナントとしてナルックスの出店を予定しているという。新型コロナウイルスの影響で景気が落ち込む中、ドラッグストアと食品スーパーの組み合わせは強者連合と言えるのだ。

クスリのアオキHDは北陸や信越、東海、近畿、関東、東北の20府県にドラッグストアや調剤薬局642店舗(10月8日時点)を展開している。医薬品・化粧品・日用雑貨のほか、近年は食品販売に力を入れており、大型店では生鮮3品(魚、肉、野菜)も取り扱っている。

同社にとって相性のいい食品スーパーの買収は今後も続きそうだ。

クスリのアオキホールディングスの沿革
1985 クスリのアオキを金沢市で設立
1996 青木二階堂薬局、草山商事を合併
1997 ツルハと商品仕入などの相互協力を目的に業務・資本提携
1998 アルビスから営業譲受
2000 三和薬商から営業譲受
2001 イオンウエルシアと商品の共同仕入などを目的に業務提携
2006 東京証券取引所市場第二部に上場
2016 クスリのアオキホールディングスがクスリのアオキを完全子会社化

文:M&A Online編集部