新型コロナウイルスの影響で多くの企業が苦境に陥る中、業績を上方修正する企業が目立ち始めてきた。テレワークや巣ごもりに伴う売り上げの増加や、経済活動再開の動きなどによる業績の回復を見込んでいるのだ。

飲食業や宿泊業などでは倒産が多発するなどまだまだ厳しい状況にあるが、一部の業種では明るさが戻りつつあるようだ。

セブン&アイ、海外コンビニが好調

大手流通グループのセブン&アイ・ホールディングス<3382>は「緊急事態宣言の解除後に、経済活動再開の動きが現れ、回復の兆しが見え始めてきた」として、2021年2月期の売上高を当初予想より670億円引き上げ、5兆7590億円に修正した。

利益も営業段階で180億円アップの3400億円に、経常段階で140億円アップの3260億円に、当期段階で185億円アップの1385億円にそれぞれ修正した。

ただ事業別でみると、回復状況はまだら模様になっており、海外コンビニ、スーパーストア、金融関連の3事業は当初予想よりも売り上げ、利益ともに増加するのに対し、百貨店、専門店は売り上げが当初予想よりも減少し、専門店事業は営業損益の赤字幅が一段と拡大する。国内コンビニ事業は売り上げ、利益ともに当初予想から変わらない見込みだ。

大手家電量販店のビックカメラ<3048>は新型コロナウイルス感染症の拡大に伴うテレワークや巣ごもりの需要に加え、インターネット通販が好調に推移したことを理由に、2020年8月期の売上高を当初予想よりも68億円引き上げ8478億円に修正した。

利益も営業段階で85億7000万円アップの120億7000万円に、経常段階で81億9000万円アップの146億9000万円に、当期段階で37億1000万円アップの55億1000万円にそれぞれ修正した。

業績修正を発表した10月6日の3日後の9日に発表した2020年8月期決算の数字はほぼ修正予想通りで、同時に公表した2021年8月期については、売上高は前年度比5.7%増、営業利益は同24.3%増と、増収増益を予想する。

ミスターマックスは当期利益が2.16倍に

家電や日用品のディスカウントストアのミスターマックス・ホールディングス<8203>も巣ごもり関連商品の売り上げが好調に推移したことから、2021年2月期の業績を売上高で30億4100万円、営業利益で14億5400万円、経常利益で14億7800万円、当期利益で7億700万円引き上げた。

この結果、2021年2月期は売上高が前年度比5.2%増の1287億3700万円、営業利益が同97.6%増の48億4100万円、経常利益が同2.1倍の46億9400万円、当期利益が同2.16倍の28億6000万円と、増収率はさほど大きくないものの利益は大幅に増える見込みだ。

同社では第3四半期以降の業績予想は期初の予想を据え置いたとしており、さらなる上方修正の可能性もある。

政府は約1兆6800億円の予算を計上し、GoToトラベルや、GoToイートなどのキャンペーンを実施しており、厳しい状況にある飲食業や宿泊業などの支援が進んできた。出張などの経済活動を再開する動きも広まっており、今後業績予想を上方修正する企業は増えてきそうだ。

文:M&A Online編集部