ご注意ください
この記事は公開から1年以上経っています。掲載されている情報は、公開当時のものです。

旧村上ファンド系、TOB渦中の「島忠」へ虎視眈々

alt
島忠の店舗(東京都中野区)

ホームセンター中堅の島忠がアクティビスト(モノ言う株主)の標的になりつつある。島忠をめぐっては業界首位のDCMホールディングスによるTOB(株式公開買い付け)が進行中だが、家具最大手のニトリホールディングスが対抗TOBを仕掛けるとの観測が高まっている。TOB合戦が現実味を帯びる中、旧村上ファンド系の投資会社が島忠株をじりじり買い増しているのだ。

旧村上系、島忠株を合わせて10%超保有

その投資会社とはシティインデックスイレブンス(東京都渋谷区)。同社が関東財務局に提出した大量保有報告書で10月20日までに島忠株を8.38%保有したことが分かった。大量保有報告書によると、16日時点で島忠株5.75%を新規保有し、その後、短期間に2.6%あまりを買い増した。

シティインデックスイレブンスは旧村上ファンドを率いた村上世彰氏が関係する投資会社。今年初めに東芝機械(4月に芝浦機械に社名変更)に敵対的TOBを実施したことは記憶に新しい。東芝機械株の約44%を取得し、実質的な経営権の掌握を目指したが、最終的にTOB撤回に追い込まれた経緯がある。

実は、旧村上ファンド系の別の投資会社、南青山不動産(東京都渋谷区)も島忠株を少なくとも3%前後保有する。昨年11月末時点の保有比率は3.84%だが、その後、1%を超えると必要となる変更報告書は提出されていない。シティインデックスと南青山不動産の両社を合わせると、保有比率は10%を優に超え、旧村上系が大株主に躍り出た形だ。

島忠株の保有目的はシティインデックス、南青山不動産のいずれも「経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと」としている。保有比率が3%を超えていれば、株主総会招集や役員解任、会計帳簿閲覧などを請求できる。

島忠をめぐっては同社の完全子会社化を目的にDCMホールディングスが10月5日~11月16日を期間としてTOBを実施中。島忠もTOBに賛同しており、TOBは成立に向けてスムーズに進むものとみられていた。

ところが、20日になって隣接業界である家具の最大手、ニトリが島忠の買収を検討していることが明らかになった。TOB合戦による島忠の争奪戦に発展する可能性が出てきたのだ。

ニトリホールディングスは島忠買収に名乗りを上げるのか…?(写真は都内の店舗)

あたかも、こうした流れに同調するかのように表面化したのが旧村上ファンド系投資会社による島忠株の大量取得の動きだ。

シティインデックスは21日発表した文書で、所有不動産の処分による資産のスリム化や自己株式取得によるROE(株主資本利益率)向上などの株主価値向上策を島忠に提案してきたと説明。そのうえで、DCM以外に買い手を広く募り、株主価値の最大化を模索した形跡が見られない、などと不満を表明した。

島忠株価、TOB価格を500円上回る高値圏に

ニトリの島忠買収検討が伝えられると、島忠株価は急騰。22日の島忠株価は4995円と30年ぶりの高値圏をつけた。26日の島忠株価の終値は4730円で、DCMが提示した買付価格4200円を500円以上上回る。

株主にとってはTOBに応募するよりも市場で売却した方が有利な状況で、このままではDCMによる島忠TOBは成立が困難視される。

当面はニトリが対抗TOBを決断するかが最大の注目点だが、旧村上ファンド系がさらに島忠株を買い増すのか、その動静からも目が離せない。

文:M&A Online編集部

M&A Online編集部

M&Aをもっと身近に。

これが、M&A(企業の合併・買収)とM&Aにまつわる身近な情報をM&Aの専門家だけでなく、広く一般の方々にも提供するメディア、M&A Onlineのメッセージです。私たちに大切なことは、M&Aに対する正しい知識と判断基準を持つことだと考えています。M&A Onlineは、広くM&Aの情報を収集・発信しながら、日本の産業がM&Aによって力強さを増していく姿を、読者の皆様と一緒にしっかりと見届けていきたいと考えています。


NEXT STORY

乾汽船・アルファレオ間の攻防整理と今後の動向

乾汽船・アルファレオ間の攻防整理と今後の動向

2020/07/17

乾汽船はアルファレオに対する趣旨と目される買収防衛策(事前警告型ライツプラン)を昨年6月に定時株主総会で再導入して以来、両社の間で攻防が続いている。そこで今回は法務の観点から特に重要と思われる観点についてコメントを試みたい。

関連のM&Aニュース