ワクチンや治療薬の開発競争をはじめ、PCRや抗体検査などでも新しい技術が次々と開発されるなど、新型コロナウイルスを巡る動きが活発化する中、ダチョウと漆喰を用いた一風変わった対策が登場した。

ダチョウは病気で死ぬことがほとんどないと言われるほど強い生き物、漆喰は日本古来の自然素材の建築材料。両者はどのようにして新型コロナウイルスに対抗するのか。

ダチョウ抗体で感染リスクを低減

日本カルミック(東京都千代田区)は、京都府立大学の塚本康浩教授とジールコスメティックス(大阪市)が共同開発したダチョウ抗体を原料とした液体を、噴霧することで新型コロナウイルスを不活化する空間浄化サービスを11月にスタートする。

ダチョウの抗体は耐熱性に優れており、酸性、アルカリ性の両方に強い。今回実験で空間中に噴霧してもウイルスを不活化できることが確認できたため、新型コロナウイルスの感染リスクの低減を目的に事業化することにした。

通常、抗体は医療用として原料化する場合は、マウスやニワトリの体内で作るが、塚本教授はダチョウの無精卵から抗体を短時間で大量に抽出する技術を持ち、2008年にはインフルエンザ予防のためのダチョウ抗体をコーティングしたマスクを開発した実績がある。

ジールコスメティックスは、このダチョウ抗体技術を用いて、2020年6月に新型コロナウイルスを不活化するダチョウ抗体配合噴霧剤を発売した。

日本カルミックは動物用医薬品を手がける共立製薬(東京都千代田区)と、英国の環境衛生マネージメント会社レントキル・イニシャルとの合弁会社で、トイレや厨房、オフィスなどで空間の消臭、芳香サービスを展開している。これら事業にダチョウ抗体噴霧サービスを加えることで、業容の拡大を目指す。

5分の接触で99.9%以上が不活化

関西ペイント<4613>は、長崎大学の安田二朗教授と共同で漆喰塗料の新型コロナウイルスに対する不活化実験を行い、5分の接触で99.9%以上新型コロナウイルスを不活化できることを確認した。

同社は2016年に安田教授と共同で行った実験で、漆喰にウイルスの不活化効果があることを確認しており、今回、新型コロナウイルスでも同様の効果があることが分かった。

漆喰は強アルカリ性の消石灰(水酸化カルシウム)が主成分で、消臭や調湿などの優れた機能を持つ。同社は2007年に漆喰塗料を開発し、2016年には不織布や紙などに塗布できる漆喰塗料を製品化している。

安田教授は漆喰塗料について「様々な物に塗布できるため汎用性が高く、特に医療や老健施設などで衛生環境の向上に期待がもてる」としている。

文:M&A Online編集部