エイチ・アイ・エス(HIS)<9603>が立て続けに新規事業に参入している。同社は2020年10月29日に墓参りや墓掃除を代行する墓事業を立ち上げた。

新型コロナウイルスの影響で帰国できない海外在住の日本人や、東京などに住み里帰りを自粛している人に代わって、墓参りや墓掃除を行い、その様子を写真や動画で知らせるという取り組みだ。

同社ではこの事業に先立ち2020年8月には新型コロナウイルスの影響で経営難に陥ったホテルや旅館の再生事業に、同年9月にはやはりコロナ禍の中、社員が移動できない企業を対象にオンラインでの社員総会や内定式などをサポートするコミュニケーションサービス事業に、さらに同年10月初めには後継者のいないそば屋などの飲食店の経営を譲り受ける飲食事業に参入したばかり。

主力の旅行業が新型コロナウイルスの影響で壊滅的な状況にあるため、新しい事業の柱を育てるのが狙いで、今回の「お墓」ビジネスは人生そのものを旅と捉え、終活にかかわることから「ライフ&エンディング」事業と位置付け、今後も新しいサービスを追加していくという。

移動の自由を奪い、企業の業績の悪化を招いた新型コロナウイルスだが、新しいビジネスのチャンスも、もたらしているようだ。 

墓前からライブ中継

HIS は海外69カ国159都市に250の拠点(2020年10月26日時点)を持つほか、国内にも248の拠点(2020年7月末時点)があり、これら拠点を通じて今回の墓参りや墓掃除サービスの告知や販売を行う。

墓掃除では、スポンジでの墓石の水拭きや、花台、香台などの水洗いのほか、雑草や落ち葉の除去、ごみ拾いなども行う。こうした作業を写真や動画で撮影し報告書として電子メールで送付する。

また墓参りでは、墓の前から10分程度のライブ中継を行い、合掌できる環境を提供する。いずれのサービスも寺や管理事務局に事前、事後のあいさつを行うほか、水桶などの後片付けや指定場所へのごみ捨てなども実施する。