マツダ<7261>は2021年1月に同社初となる量産型電気自動車(EV)「MX-30」の国内販売に乗り出すと発表した。環境規制が厳しい欧州では2020年9月に最低価格3万2600ユーロ(約410万円)で発売し、すでに5200台を超える受注があったという。日本では当面、法人向けにリース販売し、一般向けの販売も検討する。

欧州の厳しい環境規制に苦しむマツダ

欧州でEV販売を先行した理由は、マツダの苦しい立場にある。欧州の温暖化ガス規制は厳しく、ガソリンやディーゼルなどのエンジンに依存してきたマツダは、同市場での自動車販売が難しくなりつつあるのだ。

欧州で先行発売した「MX-30」のEVモデル(同社ホームページより)

自動車産業の調査会社JATO Japan Limitedによると、2019年のマツダ車の二酸化炭素排出量は走行1キロメートル当たり平均135.4グラムで、欧州の販売台数上位20メーカー中19位に沈んでいる。マツダより排出量が多いのは独メルセデス・ベンツだけだ。

ベンツ車は大型の高級車が主力ながら同140.9グラムと健闘。16位の独BMW、17位の独アウディ、18位のスウェーデン・ボルボも大型の高級車メーカーであり、中・小型車メーカーであるマツダの出遅れが目立つ。

マツダは自前のハイブリッド車(HV)技術を持たず、ガソリンやディーゼルエンジンの燃費向上に専念してきた。ところが地球温暖化の深刻化により、欧州や米カリフォルニア州、中国などでの二酸化炭素排出規制が大幅に強化されている。規制をクリアするには、EVの販売台数を増やすしかない。