ヘルスケア分野、間断なくM&Aを実行

ざっと振り返ってみる。まず手始めに2006年、第一三共から、放射性検査薬の第一ラジオアイソトープ研究所(現富士フイルムRIファーマ)を200億円で買収。2008年、医療用医薬品の富山化学工業をTOBで傘下に収めた。買収額は1169億円にのぼり、医薬品への本格進出を内外に印象づけた。2011年には、米メルクの子会社「MSDバイオロジクス」(現富士フイルムダイオシンスバイオテクノロジーズ)など2社を400億円で買収。医療機器でも2012年、米の超音波診断装置メーカー、ソノサイトを800億円で傘下に収めた。

再生医療でもしかり。2014年、皮膚再生技術のジャパン・ティッシュ・エンジニアリングを子会社化。翌2015年はiPS細胞を開発製造する米セラーダイナミクスインターナショナルを380億円で買収。そして2017年4月、武田薬品子会社で、iPS細胞関連の試薬技術を持つ和光純薬工業を約1500億円で買収した。

米ゼロックに対する買収金額は約6700億円と巨額にのぼるが、子会社の富士ゼロックスと米ゼロックスの経営統合を先行させ、グループ外への資金流出がないスキームを用いる。このため、高水準の投資余力(2017年12月末の現金・現金同等物は6500億円)をほぼ維持する格好になっており、ヘルスケア分野をはじめ成長分野でのM&A投資は当分衰えることはなさそうだ。

ヘルスケア分野での主なM&A
2006年第一三共から、第一ラジオアイソトープ研究所を買収
2008年 富山化学工業をTOBにより子会社化
2010年 富士フィルムファーマを三菱商事、東邦ホールディングスと共同設立
2011年 米メルクから、バイオ医薬品子会社2社を約400億円で買収
2012年 米の超音波診断装置大手、ソノサイトを約800億円で買収
2014年 ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングの株式を追加取得し、子会社化
2015年 iPS細胞の開発・製造、米セラーダイナミクスインターナショナルを約370億円で買収
2017年 武田薬品工業傘下の和光純薬工業をTOBで約1500億円で買収


文:M&A Online編集部