米アマゾンが米トイザラスの店舗一部の取得を検討していたと報じられた。とはいえトイザラスの救済やブランドの存続を狙うものではなく、空き店舗の再利用を模索していたという。しかし「空き店舗」など、全米のどこにでもある。わざわざ自社が打ち負かした敗者の空き店舗を、これ見よがしに取得する意味などない。なぜアマゾンはトイザラスの空き店舗に手を伸ばそうとしたのか。

絶対王者アマゾンへの「反撃の芽」

アマゾンがトイザラスの空き店舗を狙う理由があるとすれば、それは商圏だ。具体的にいえば「閉鎖された店舗が抱えていた顧客」である。つまり、アマゾンは「玩具販売のリアル(実)店舗」が欲しかったとしか考えられない。ただ、「ついにアマゾンもインターネット通販から実店舗へ本格転換するのか!」と考えるのは早計だ。

もしそうであれば、アマゾンはトイザラスを丸ごと買収して、小売りに本格参入するはず。破綻したトイザラスであれば、健全な玩具小売チェーンを買収したり自社で一から整備したりするよりも、はるかに低コストで実店舗網を手に入れることができるからだ。

アマゾンの狙いは、おそらく「ショールーム店舗」だろう。トイザラスはじめ実店舗を展開する大手小売りチェーンを次々と窮地に追い込んでいるインターネット通販最大手のアマゾンだが、実は小さな「反撃の芽」が出ている。実店舗をショールームとして利用し、自社の専用インターネット通販サイトで購入してもらうビジネスモデルだ。

米トイザラスの空き店舗
アマゾンはトイザラスの空き店舗で何をしようとしたのか?(Photo By Mike Kalasnik)