無料の通話やメールが楽めるアプリを手がけるLINE<3938>が 仮想通貨事業に参入する。コインチェック(東京都渋谷区)による580億円相当の仮想通貨流出問題などで信頼性が揺らいでいるものの、長期的には安定するとの判断から参入を決断したようだ。フリマアプリのメルカリや、通信大手のインターネットイニシアティブなどが参入を表明しているのをはじめ、ネット通販大手のアマゾンの参入なども囁かれており、仮想通貨の発行や仮想通貨交換業者の登録は増えていきそうな情勢。その一方で安全性の向上に携わる人材の不足やシステム構築のコストアップなどの課題が浮上しており、今後は仮想通貨業界におけるM&Aも表面化してきそうだ。

    LINEは仮想通貨事業を担当する「LINEフィナンシャル」を設立し、仮想通貨の交換や取引のほか、ローン、保険といった金融商品を扱えるようにする。すでに金融庁への仮想通貨交換業者の登録申請を行っており、通貨の名称などの詳細は今後詰めるという。登録が認められればアプリ内で現金と仮想通貨の交換が可能になる。多くの若者が利用するLINE内で仮想通貨がやりとりできるとなると、利用者は一気に増えそうだ。

    仮想通貨はパソコンやスマートフォンなどを用いて物の売買ができる通貨で、決済は銀行を経由しないため手続きは簡単だが、価格変動による損失のリスクがある。現在は値上がりを期待した投機的な所有が目立つものの、実際に利用できる飲食店が徐々に増えつつある。

    M&A 分野ではカイカ<2315>が、M&A資金の一部を仮想通貨で支払うことを表明している。このほか、欧州のアマチュアサッカークラブが契約金の一部を仮想通貨で支払うと表明したほか、スイスの都市であるツークやキアッソでは仮想通貨による納税が可能など、利用事例が広がり始めている。

    一方、フェイスブックが仮想通貨の広告を禁止するなどの動きもある。

文:M&A Online編集部