経営再建中の東芝が主力銀行の三井住友銀行元副頭取で、大手投資ファンドの英CVCキャピタル・パートナーズの日本法人会長を務める車谷暢昭氏を会長に迎える人事を固めたことが明らかになった。車谷氏は2017年5月にこの日本法人のトップに就任。メガバンク首脳経験者の外資系の有力投資ファンドへの転身として話題を呼んだが、CVCキャピタル・パートナーズとは。

世界最大級のプライベート・エクイティ・ファンド

 CVCキャピタル・パートナーズは米金融大手シティグループの流れをくみ、1981年に発足。未公開会社を主な投資先とするプライベート・エクイティ・ファンドとして世界最大級で、現在の運用規模は約3.4兆円とされる。欧米をはじめ、日本、アジアの世界23都市に拠点を展開する。

 CVCキャピタル・パートナーズが現在、日本で投資する主な案件は丸紅系の通信会社「アルテリア・ネットワークス」(東京都港区)と、ハウスクリーニングや介護施設運営などを手がける長谷川ホールディングス(東京都豊島区)。アルテリア・ネットワークスには2014年、約1億5000万ドル(約160億円)を出資し、株式50%を保有する。

 かつては野村プリンシパル・ファイナンスと組んで、外食大手、すかいらーくのTOBに参加したことでも知られる。

東芝再建に関与の可能性は?

 日本法人は「シーヴィーシー(CVC)・アジア・パシフィック・ジャパン」で、東京都港区の愛宕グリーンヒルズMORIタワーにある。現在社長・パートナーを務める赤池敦史氏は2015年5月に就任し、前職はアドバンテッジパートナーズのシニアパートナー。2017年5月、会長に就いたのが三井住友銀行出身の車谷氏で、同氏は銀行時代は福島第一原子力発電所事故後の東京電力に対する支援の枠組みづくりに深くかかわり、こうした経験が買われて東芝再建に向けて白羽の矢が立ったものとみられる。

 東芝の会長職は2017年2月以来、空席。4月にも就任が見込まれる今回の車谷氏の起用はあくまでも主力銀行からの招聘により再建を確実にするのが狙いだ。ただ、同氏を送リ出す立場となるCVCキャピタル・パートナーズが東芝再建に何らかの形で関与する可能性もゼロとは言い切れない。

文:M&A Online編集部