公開日付:2018.02.15

 2月14日、経営再建中の(株)東芝(TSR企業コード:350323097、東京都、東証2部)は、2018年3月期の連結業績予想を発表した。これまで売上高は4兆9,700億円、営業利益は4,300億円と予想していたが、それぞれ3兆9,000億円、ゼロへ修正した。
 株主に帰属する当期純利益(以下、当期純利益)は1,100億円の赤字から5,200億円の黒字へ修正した。期末時点での債務超過は解消し、上場は維持される見通し。
 東芝の代表執行役の平田政善専務らが14日、都内で会見し明らかにした。

会見する平田専務(中央)
会見する平田専務(中央) 東京商工リサーチ

半導体メモリ事業が非継続事業に

 東芝は、2017年9月に半導体メモリ子会社の東芝メモリ(株)(TSR企業コード:023477687、東京都)の株式を投資ファンドのBain Capital Private Equity, LP (DUNS: 612549915、アメリカ、以下べインキャピタル)を中心に組成される(株)Pangea(TSR企業コード:024937533、東京都)へ譲渡する契約を締結。その後、半導体メモリの生産を協業するWestern Digital Corporation(DUNS: 051983567、アメリカ)が株式の売却差し止めを求め係争に発展していたが、12月までに和解した。このため、半導体メモリ事業を非継続事業へ変更し、売上高で1兆900億円、営業利益で4,400億円のマイナスの影響が発生した。
 東芝メモリのPangeaへの売却は完了しておらず、中国の独占禁止法の審査が長引いている関係で2018年3月末までに売却できるかは不透明だ。ただ、平田専務は「米国会計基準の要件で12月31日以降、1年以内売却の蓋然性が高い場合は非継続事業となる」と述べた。

 当期純利益は従来予想の1,100億円の赤字から5,200億円の黒字へ修正した。2018年1月に、Westinghouse Electric Company LLC(DUNS:062661272、アメリカ)などWHグループ関連債権を売却したことで、1,700億円の売却益や2,400億円の税効果など、合計4,100億円の当期純利益の押し上げ要因が発生した。
 さらに、半導体メモリ売却の蓋然性が高まったことや2017年12月の6,000億円の増資で財務体質への懸念が解消。継続企業の前提に関する重要事象等も解消し、繰延税金資産1,100億円の計上で当期純利益の押し上げにつながった。
 これに伴い2018年3月末の連結株主資本は4,600億円程度のプラスとなり、債務超過は解消する見通し。

課題は利益率の改善

 2018年3月期で債務超過は解消の見通しだが、営業利益は「ゼロ」を予想し、半導体メモリなき東芝の収益性低下は避けられない。この点について平田専務は、「(2018年3月期は)構造改革に600億円を使う。また、テレビ・パソコンのロス(赤字)が継続している。こういったものは来年度以降は大きく減っていく。単純に1,000億円くらいの数字(営業黒字)になる」との見通しを示した上で、「1,000億円程度では株主が納得するような投資リターンにはならない。投資利益率10%程度を中期的には目指したい」と述べた。

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