祝ハタチ! 今年、創業20年を迎える企業

  今年、創業20年を迎えるのは、1998年にスタートアップした企業です。スポーツ界では冬季長野オリンピック・パラリンピックが開催され、第16回W杯フランス大会に日本が初出場。映画『タイタニック』が一大ブームとなりました。『Windows 98』が発売され、郵便番号の7ケタ化が始まりました。金融不安が続く中、日本長期信用銀行、日本債券信用銀行が破綻しました。

 さて、1998年の創業から20年、ビジネス界に大きな影響を与えたのは? M&Aの状況も踏まえて見ていきましょう!

ITの分野でなくてはならない存在に!

PayPal

 電子メールのアカウントとインターネットを活用した決済サービスのPayPalが創業したのは、1998年12月のこと。2000年代に花開く電子商取引の草分け的存在です。いったんはeBayに買収されたものの、2002年にはPayPal Holdingsとして独立を果たしました。現在は190以上の国と地域で利用でき、21通貨以上に対応するまでに成長。2007年には、日本ユーザーの利便性の向上のため、サイトの日本語表示を開始しています。

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一休

 高級ホテルや高級旅館専門の予約サイト「一休.com」を運営する一休<2450>が創業したのは1998年7月。2007年には「Yahoo! トラベル」と提携し、2016年にはYahoo!がTOB株式公開買付け)により子会社化しました。「一休.com」のほか、「一休.comレストラン」「一休.comショッピング」「一休.com ビジネス」「一休マーケット」などを多角的に運営。それでも、ホテル・旅館の予約など “高級志向”に特化した点がユニークです。

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サイバーエージェント

 サイバーエージェント<4751>は著名人のブログ「Ameba」でおなじみのIT企業。創業は1998年3月です。現在はアメーバ関連事業とインターネット広告代理店事業を主軸とし、広告事業単体ではインターネット広告の国内最大手に成長しました。アメーバ関連事業では、インターネットテレビ局「AbemaTV」を開設し、また「グランブルーファンタジー」といったゲーム事業も人気です。2000年以降、時代の変化に即応して次々と周辺事業との資本提携、M&Aを実施しています。

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Google

 全世界を事業地域とするアメリカの多国籍企業。誕生したのは1998年9月です。資本提携、M&Aによって検索エンジン、オンライン広告、クラウドコンピューティング、ソフトウェア、ハードウエア関連の事業など業容を拡大し、インターネット関連のサービスで世界中を席巻しています。2006年、「YouTube」の買収は記憶に新しい取り組みです。ちなみに日本法人であるグーグル合同会社は2001年2月に設立されました。

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ガンホー・オンライン・エンターテイメント

 オンラインゲームを運営するガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765>が創業したのは、1998年7月。アメリカの大手オークションサイト「On Sale」とソフトバンクの合弁企業としてスタートしました。「パズル&ドラゴンズ」(パズドラ)が大ヒットしたのが2012年。2013年にはソフトバンクの連結子会社となりました。しかし、2016年8月にTOBを実施し、ソフトバンクグループの保有株式すべてを取得し、関連関係は解消しています。

スタートトゥデイ

 スタートトゥデイ<3092>はアパレルのオンラインショッピングサイト「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」を運営する会社です。創業したのは1998年5月。当初は有限会社で、2000年に組織変更し、2004年に「ZOZOTOWN」をオープンしました。2010年にヤフーと業務提携、その後も業務提携やM&Aを重ねて急成長を遂げました。自社物流による効率化、ツケ払い(後払い決済)サービスなどで話題を集めています。

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新しい保険のかたちが誕生!

アクサ損害保険

 世界最大級の保険・資産運用グループであるアクサグループ。その日本における損害保険会社として1998年6月にアクサ損害保険は誕生しました。通称・アクサダイレクトとして知られ、アクサ生命の100%子会社です。自動車保険からスタートし、2005年には業界初となる本格的リスク細分型のバイク保険を発売、2011年にはペット保険にも進出しました。

ソニー損害保険

 ソニーグループの損害保険会社・ソニー損害保険がスタートしたのは1998年6月。コーポレートスローガンは、「Feel the Difference ~この違いが、保険を変えていく」です。そのスローガンを体現するように、自動車保険のインターネットでの申込み、自動車保険での土日・祝日の示談代行サービス、インターネット申込みでのコンビニエンスストア払い、自動車保険のリスク細分項目で「車の型式」を採用など、業界で初めての試みを次々に実現しました。

老舗も“創生”の機を迎えた!

宇部三菱セメント

 土木資材・建築資材大手でセメント販売量国内シェア5位の宇部興産、同4位の三菱マテリアルが50%ずつ出資し、1998年7月に設立したのが宇部三菱セメント。宇部三菱セメントの国内セメント販売量は太平洋セメントに次いで2位となっています。三菱マテリアルの設立が1950年、宇部興産の設立が1942年(両社ともルーツをたどれば創業は1800年代後半)ですから、重厚長大産業の老舗の大同団結により生まれた会社といえるでしょう。

NTTタウンページ

 NTTの電話帳部門と情報案内部門の統合・一本化により営業を開始したNTTタウンページ。設立は1998年12月です。現在はNTT東日本の100%子会社です。日本で初めての電話帳「電話加入者人名表」が発行されたのは、第1回帝国議会が開かれた1890年。イロハ順の掲載となったのは、東京・上野公園に西郷隆盛像が建立された1898年。100年の歴史は電話帳よりも厚く、重い!?

タマホーム

 タマホーム<1419>の創業は1998年6月ですが、その前身は約100年前の1887年、福岡県八女郡羽犬塚村(現在の筑後市)の玉木長命が個人で建設業を始めたことにさかのぼります。100年の歴史を重ねての創成といえます。2000年代に入り、2002年10月に本社を福岡市博多区に移転、2004年6月に大阪本社を設立、2005年には東京都港区に東京本社を設立し、本社機能を移転しました。「Happy Life Happy Home」に向けた舵取りが注目されます。

ブラザー販売

 ブラザー販売はブラザー工業<6448>の連結子会社で、プリンター、ミシンなどオフィス用・産業用・家庭用のブラザー製品の販売のほか、マーケティング、修理サービスなどを展開しています。設立されたのは1998年10月。1941年、前身となるブラザーミシン販売が設立されましたが、その後、商号変更、上場・上場廃止、吸収合併などを経て、1998年10月にブラザー販売としてスタートし、今日にいたります。 

ユニークな企業コンセプトも誕生!

カヤック

 神奈川県鎌倉市に本社を置くWeb制作会社、通称・面白法人カヤック<3904>が誕生したのは1998年8月です。サイコロを振って給料を決めたりする会社として話題を集めました。2005年に合資会社から株式会社に組織変更。2011年にはサイバーエージェントなどが運営するファンドを引受先とする第三者割当増資を実施、2014年12月にはマザーズに上場。数々のスマートファンアプリを提供し、コミュニティー事業、飲食事業も運営しています。

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木楽舎

 月刊誌「ソトコト」や書籍を発行する木楽舎が創業したのは1998年12月。健康と環境、持続可能な社会生活を心がける生活スタイルであるLOHAS(lifestyles of health and sustainability)の日本での火付け役ともなりました。ロハスカフェのほか、「赤道地帯の恵みを再発見」がテーマのBAR&レストラン「赤道倶楽部」、カルチャースクール「ソトコトLOHAS塾」、通販サイト「ソトコトオンラインショップ」なども展開しています。

スポーツ界にも新しい動きが…

札幌ドーム

 札幌ドームの着工は1998年6月、同年10月には株式会社札幌ドームが設立されました。現在、札幌ドームは、北海道コンサドーレ札幌(Jリ―グ)、北海道日本ハムファイターズ(プロ野球)がホームスタジアム・本拠地とし、北海道における屋内最大規模のコンサート会場としても利用されています。2019年にはラグビーワールドカップの会場として、2020年には東京オリンピックサッカー会場として使用される予定です。

エムウェーブ(長野市オリンピック記念アリーナ)

 1998年は冬季長野オリンピック・パラリンピックが開催された年。長野市オリンピック記念アリーナ(愛称・エムウェーブ)は、スピードスケートの会場として使用されました。同年6月に、会社として株式会社エムウェーブが設立。長野市オリンピック記念アリーナの管理運営を目的として、長野市などが出資して設立された第三セクターです。同社は長野市若里多目的スポーツアリーナ(愛称・ビッグハット)の管理運営も受託しています。

飲食新時代へようこそ!

東京一番フーズ

 とらふぐ料理店を運営し、東証1部に上場する東京一番フーズ<3067>が創業したのは1998年10月。1号店で本店でもある「泳ぎとらふぐ料理専門店とらふぐ亭」を新宿に、以後、神奈川、埼玉、千葉各県に進出し、約50店を展開しています。特定の食材での居酒屋の多店舗展開はむずかしいと思われていましたが、同社では、ふぐ料理のマーケットサイズは首都圏だけでも400億円と算段。今後も“本物志向”の開拓を進めるとしています。

ハブ<3030>

 ロイヤルホールディングスグループの中で、英国風パブチェーン「HUB」を展開する株式会社ハブ<3030>。創業は1998年5月でした。もともとダイエーの子会社でしたが、事業承継営業譲渡などにより、キャプテンクック、りきしゃまん(いずれもダイエーグループ)、村さ来、加ト吉などの系列を経て、今日にいたります。2008年、慶應義塾大学での出店では、大学施設内への英国パブ業態の出店として話題を集めました。

タリーズコーヒージャパン

 伊藤園の傘下でコーヒーショップ「タリーズコーヒー」を経営するタリーズコーヒージャパン。設立は1998年5月です。2001年に、当時としては飲食業界最速でナスダックジャパン(現ヘラクレス)へ株式を上場しました。同年、出店を東京都心部のオフィス街を中心の直営店から、フランチャイズ方式による全国展開に切り替えました。伊藤園の子会社となったのは2006年からです。

ヨー!  スーシ

 英国では1998年に、世界的にチェーン展開する日本風レストラン「ヨー! スーシ」が開業しました。回転寿司1号店をロンドンにオープンし、以後、同国ではマンチェスターやバーミンガム、さらにアイルランドやアラブ首長国連邦、ロシアやマレーシアにも進出。現在、寿司に限らず日本食を中心に提供し、40か所以上の店舗を展開している。ちなみに、親会社であるYo! Companyは日本風のカプセルホテルでも成功を収めています。

新機軸の小売業も台頭!

バイク王&カンパニー

 大手オートバイ買取り専門店「バイク王」を全国展開するバイク王&カンパニー<3377>。設立は1998年9月です。オートバイ買取り業のメジャーオート有限会社がスタートで、その後、有限会社オーケイ、有限会社キャブなどを設立して事業を拡大し、1998年9月に株式会社アイケイコーポレーションを設立して事業を集結。2012年9月に社名変更し、現在にいたります。2006年に東証2部に上場しました。

わかさ生活

 主にブルーベリーを利用したサプリメント「ブルーベリーアイ」などの研究開発および企画、販売を手がけるわかさ生活。創業は1998年4月です。特定のサプリメントに集中し、その通信販売を軌道に乗せました。現在は「ブルーベリーアイ」のほか、医療機関サプリメントも取り扱い、美容と健康、さらにスポーツなどの事業にも進出。また、ブルーベリーリボンと称した社会貢献活動も推進しています。

近鉄リテーリング

 “西の成城石井”と称される近鉄リテーリングが創業したのは1998年12月。当初は近観サービスという社名でしたが、2002年に商号変更しました。2003年8月に成城石井FC1号店となる上本町店を開業。2008年には近鉄難波駅(現大阪難波駅)構内にショッピングモール「Time's Place」を開業し、以後、近鉄の主要駅にショッピングモールを展開しています。

こんな法人もスタートしました!

ビジネス・ブレークスルー

 大前研一氏を代表として経営指導・人材育成教育を行うビジネス・ブレークスルー<2464>。設立されたのは1998年4月です。スカパー! プレミアムサービスにおいてビジネス関連の教育放送を行うほか、遠隔型オーストラリア版MBAプログラムを提供。とくに後者は日本の遠隔型MBA、または経営学修士号のスクールとしては最大規模のプログラムに成長しました。東証1部上場は2016年12月です。

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日本私立学校振興・共済事業団

 日本私立学校振興・共済事業団は、日本私学振興財団と私立学校教職員共済組合を廃止し、それぞれの権利義務を承継して統合して生まれた文部科学省所管の特殊法人。1998年1月にスタートしました。私立学校の教育の充実と経営の安定、私立学校の教職員の福利厚生を図るとともに、私立学校教職員共済法の規定による共済制度を運営。私学振興の役割を担っています。一般には私学事業団と呼ばれています。

金融界も負けてはいません!

モーニングスター

 アナリストらによる世界規模の金融・経済情報の提供するモーニングスター<4765>が創業したのは1998年3月。機関投資家やセミプロ個人投資家向けに、投資信託の格付け評価を手がけています。当初は米国モーニングスターとソフトバンクのジョイントベンチャーとして発足しましたが、2004年にSBIホールディングスが買収。なお、2008年には株式新聞社を合併し、株式新聞の刊行元となりました。

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リサ・パートナーズ

 不良債権デューデリジェンス事業から出発したリサ・パートナーズ<8924>。設立は1998年7月です。現在は企業投融資のほか、不動産投融資、各種証券化・再生事業、ファンドの組成・運営、M&Aアドバイザリー業務など、いわゆる投資関連ビジネスを幅広く手がけています。地域経済再生ファンドをつくり、日本政策投資銀行と地域経済の活性化の業務協力協定を締結。地域経済活性化支援機構とともに観光活性化マザーファンドを展開しています。

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二十歳の門出を目の前に…

てるみくらぶ

 2017年3月、自己破産を東京地方裁判所に申請し倒産した「てるみくらぶ」も創業は1998年。ハワイ、サイパン、韓国、台湾を中心に、オンライン予約による一都市滞在型ツアーを展開し、格安旅行会社として一定の地位を築きました。日本各地に営業拠点を設け、海外に現地法人も設立。しかし、負債総額は約218億円で、旅行業として過去3番目の倒産規模となり、二十歳の門出を祝うことは叶わぬ夢となったのです。

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