キーコーヒー<2594>は2月、銀座ルノアール<9853>普通株式58万株を取得した。これにより、子会社による間接保有分を含めた議決権割合は34.19%に高まった。キーコーヒーは2013年1月に銀座ルノアールを持分法適用関連会社としており、今回の株式取得は2回目。銀座ルノアール株式の追加取得は両社にどのような意義があるのだろうか。

イタトマ、アマンドなど抱えるも、コーヒー事業の依存度は86%

キーコーヒーは1920(大正9)年8月、横浜市でコーヒーの焙煎とコーヒー及び食料品の販売を目的として設立され、すでに100年近い歴史を持つ。現在、キーコーヒーグループとして、イタリアントマト、アマンドをはじめ連結子会社が11社、銀座ルノアールなど持分法適用会社が3社ある。2017年3月期の売上高629億円のうち、コーヒー事業が547億円と86%を占め、飲食・その他事業が82億円。2013年の資本提携を機に、キーコーヒーは銀座ルノアールにレギュラーコーヒーと飲料・食品を供給している。

銀座ルノアールは東京、神奈川を中心に「喫茶室ルノアール」「ミヤマ珈琲」「NEW YORKER'S Cafe」などの喫茶店をチェーン展開している。2017年3月期の上高は76億円で、店舗数は119店舗。キーコーヒーと資本提携した当初の背景には、経営者の高齢化が進む個人喫茶店の代替需要に照準を合わせ、団塊世代向けの新業態「ミヤマ珈琲」の出店を加速する狙いがあったとされる。

同社の主力ブランド、「喫茶室ルノアール」は山手線沿線の駅前や街中が大半で、主にビジネスマンの打ち合わせや休憩場所に利用されている。団塊世代のビジネスマンが定年退職して郊外の自宅周辺で過ごす時間が増えれば、その近くに出店すれば集客できると目論んだのだ。「ミヤマ珈琲」は6店舗(2月現在)まで増えた。

また、銀座ルノアールはフランチャイズ式の店舗ノウハウがなかったことから、キーコーヒーとの資本提携では地域情報やフランチャイズオーナー候補の情報などに期待。社内に「FC開発部門」を設け、フランチャイズ方式による全国展開の模索を始めた。

「喫茶室ルノアール」はブランドイメージのリニューアルが課題

銀座ルノアールは2020年3月期までに売上高100億円、直営店舗数150店舗を中期目標に掲げている。この達成に向けて課題となるのが「喫茶室ルノアール」の新規出店と「ミヤマ珈琲」の収益改善だ。「喫茶室ルノアール」の場合、ビジネスマンの打ち合わせ場所としてのブランドイメージが強力なため、若い世代の共感を得られるようなブランドリニューアルの打ち出しも今後必要になってこよう。さらに、全国を視野に入れたフランチャイズ展開を目指すには既存店舗の収益改善と同時に、店舗運営ノウハウの社内共有が欠かせない。

「喫茶室ルノアール」(東京都中央区銀座3丁目)