アルミ圧延首位、UACJ<5741>のトップ人事をめぐって筆頭株主の古河電気工業<5801>が「異論」を突き付けた。UACJは2月27日、古河スカイと住友軽金属工業の合併で5年前に誕生して初めての社長交代を発表したが、古河電工は同日、「一部人事について賛成しかねる点がある」として、会長、副会長人事の再考を申し入れていることを明らかにした。

合併から5年、社長交代そのものには賛成だが…

 UACJは27日、石原美幸取締役(60)が社長に昇格し、岡田満社長(61)は代表権のある副会長に就く人事を発表した。正式就任は6月21日。代表取締役会長の山内重徳氏は留任する。代表取締役が3人になることについて、業務執行は石原次期社長、対外的な活動は会長、副会長が分担すると説明している。

 今年はUACJ発足から5周年という節目のタイミング。古河電工は「人心を一新し、業績の改善を期待して、社長を交代することについては異論はない」と石原新社長の就任を支持している。そのうえで、山内、岡田両氏は取締役を退任すべき」とし、役員陣の再考を求めているのだ。

 古河電工はUACJの株式24.9%を持つ筆頭株主で、新日鉄住金が7.7%で続いている。UACJ母体の一つ、古河アルミは2003年、古河電工の軽金属部門と、昭和電工、新日本製鉄(現新日鉄住金)が大株主のスカイアルミニウムが合併してできた会社だ。

 筆頭株主の古河電工が異論を表明する理由は何か。山内会長・岡田社長体制が実質的に継続することに対する反発だ。同社の発表文によると、「遺憾ながら、合併前に計画されていた合併効果の実現に至らず、海外における大型案件も成果を上げるどころか大きなリスク、懸念材料となっているように見受けられる」としている。

「世界で戦えるアルミメジャーを目指す」。こうした掛け声とともに、古河スカイと住友軽金属が合併してUACJがスタートしたのは2013年10月。飲料缶や自動車ボディー用パネル材などのアルミ圧延で、米ノベリス、米アルコアの2強に次ぐ世界3位のポジションを獲得した。

 UACJ発足にあたっては住友軽金属社長の山内氏が会長、古河スカイ社長の岡田氏が社長に就き、二人三脚で合併後の経営を主導してきた。今回社長となる石原氏は住友軽金属出身で、2015年に取締役に就任し、生産本部長として米国工場の立ち上げなどに手腕を発揮した。