美容ドリンク・健康食品販売などを行う協和が、ザッパラス<3770>が運営する30代女性向けメディア「wotopi(以下:ウートピ)」事業を買収しました。広告収入やマーケティング代行を収益の柱としない企業が、メディアを買収する珍しいケース。コンテンツマーケティングが叫ばれるようになり、上質な記事があちこちにバラまかれている現在。企業の販促は、「完全なるユーザーファースト」という難しい局面に立たされています。ウートピ買収は、今後のコンテンツマーケティングの方向性を予感させる出来事です、という話です。

この記事は2部構成に分かれています。

①コンテンツマーケティング最前線

②今回の買収に深く関わった協和の経営企画グループ長兼お客様研究所所長 小野寺洋氏に聞く、ウートピ買収の狙い

協和プレスリリース
協和プレスリリース

”押し”の強い広告は嫌われる時代

協和は美容健康食品などを販売する「fracora」を展開し、美容サプリメントなどに強みを持っています。

ウートピは、女性目線のニュースサイト。2013年にリリースし、月間200万ユーザーに見られています。雑誌などで活躍した編集者・記者を抱え、取材力や情報発信力、企画コンテンツ力を備えていることが特徴です。

ここからは、コンテンツマーケティングが生まれた時代背景から、最新事情を説明します。それが今回の買収を理解するのに、重要なポイントとなるからです。協和のウートピ買収の狙いなどをいち早く知りたい方は、3ページ目に飛んでください。

コンテンツマーケティングを理解するには、広告の2つのタイプを理解する必要があります。「プッシュ型」と「プル型」です。違いは以下の通り。

【プッシュ型】

「〇〇の広告です!」と顧客に宣言するタイプのもの。典型的なのが、テレビ・ラジオなどのマスメディア広告です。不特定多数の認知度を上げ、ブランド作りを行うために使用されます。

【プル型】

生活に役立つ情報や楽しめるコンテンツを提供し、企業の潜在顧客を顕在化させるタイプのもの。この分野では、Web制作会社のLIGが有名です。一昔前のキュレーションメディアもその一つ。ユーザーにとって役立つ情報を提供し、そこをフックとして見込み客に育てることを意図しています。

プッシュ型とプル型のメリット・デメリットは以下の通りです。

メリットデメリット
プッシュ型短期間でブランド認知と大量集客が可能
高コスト体質
プル型低コストでの運用が可能
集客効果が小さく、なおかつ成果が見えづらい

両者は完全に補完関係にあります。

プル型の広告がもてはやされるようになった理由は一つです。

①誰でもできるから

マスメディアの広告には、プランナー、デザイナー、コピーライターといった一流の人材が必要でした。結構な金額がかかるので当然です。一方、プル型は街の小さな「うどん店」が、「おいしいうどんの作り方」という動画をアップするだけで集客が可能です(もちろん、そんな簡単な話ではありませんが)。

すなわち、企業が伝えたいことを一方通行で発信するプッシュ型は一部の大企業のみが活用し、多くの企業や個人商店などはプル型の集客手法を使うようになったのです。

コンテンツを活用したマーケティングは、こうした背景を踏まえて出てきたものです。